ことちゃんには、悪意がない。
というより、悪意を知らないんだと思う。
うさぎだから、耳は、
なにか怖いものをいち早く
察知するために長いし
鼻も、ぴくぴく。
目も、きょろきょろ。
足はいち早く逃げ出すために
とても強い。
けれど、その耳も、鼻も目も
怖がるためについているのではなく
安心するために、ついている。
もともと必要以上に恐れたくないんだろうと思う。
ぼくとだけいる、ことちゃんなので
いたずらや、恐怖を知らない。
ということは、やはり、自分の中に
悪意がないからなんだろうと思う。
ぼくが何かしても、一瞬びっくりするものの
安心の中にすぐ戻ろうとする。
信じてくれ、すぐに安心を取り戻してくれる。
それがとてもありがたいんだ。
まるで、純朴な田舎の人と話をしているみたいで。