銀河麦酒が好きだったので
銀河ビール工場に行きました。
それにしても、
いったいなんと山の中にある工場なんだろう。
観光地でもなんでもない、ただの田舎の山すそにぽつんとある工場。
沢内銀河高原ホテルが併設、その窓からもただ、雪の林がみえるだけ。
ほかになーんにもない。
泊まって温泉に入り、
料理を食べ、ビールをたらふく飲むだけ。
けれど、なによりやっぱり水がおいしい。
温泉ではない部屋のお風呂も、
出される普通の料理も、すべてビールの仕込みの水と同じ汲み上げた地下水。
ただ、そのことで、なにもかもが魔法にかけられたかのように輝きだします。
銀河ビールファンにはなんだか、ここはテーマパークホテルかのよう。
〔三杯無料なのに二杯しか飲めなかった、あまりお酒には強くなくて〕
そうそう、朝ごはんのバイキングのベーコンが
なんだかしょっぱくて香ばしくておいしかったので
訪ねると、料理長が庭でスモーカーで燻製して作っているそうな。
もったいないよ、なんにも言わないのは。
で、パンもなんだか、メロンパンとかかわいくて
酵母の香りがして、でも不格好で
これも聞くと、近所のパン屋さんの特注で頼んでいるとか
…近所、どこにあるんだろうと
一面何にもない、通ってきた道を思い出し
どこまでが近所なのか、考えてこういうかわいい手作りのパンを作る
その人に会いたいと思ったりなのでした。
パンとしては、ふくらみも足りないし
決して手放しでおいしいというわけではないんですが
…なんだか食べてて、幸せだったんです。
ご飯食べたのに、さらに4個も食べてしまいました。
これは、この地方に伝わるビスケットのてんぷら。
てんぷらの理由を聞けば、なんだか悲しくいとおしい、昔がいまに伝わる贅沢な味。
〔これはおいしくはないけれど、それをもわかった上で、
デザートのひとつとして出してくれてありがとうございました〕
被災者割引で一泊一万ちょいでした。
料理は夕食、朝食ともバイキング。
バイキングは、それぞれ好きにできて、あるいは
みんな同じというのがいい、なによりとなりのテーブルにある「おいしそうなもの」が
こっちにはない、というのは、せっかくの旅行なのになんだか面白くないもの。
ここ、また行きたいホテルのひとつになりました。
ああ、またあのベーコンとパンの朝ごはんを食べたい。
夕ご飯は銀河ビール飲み比べと、
ビールで煮込んだタンシチューとかがよかったな。
あと、ぶり大根のだいこん、これはとってもおいしかった。
上品な和食の店ならば、この色はないだろうみたいな、
田舎っぽくて、そのあたりがとても。
ほんとなんにもないのに、あるものが素敵でした。