古い古いアンプ。
よりどりみどりの中古の中で目にした瞬間、
欲しいのはこれだったと思い出しました。
A-9という、ヤマハが本気でなにかに取り組んでいた時代の、ヤマハの中では高級プリメイン。
なにかのようという例えがなく
どう表現していいものか、いきなり
登場した、デザインのアンプ。
初めて「見た」時、衝撃的でした。
危うさ、際どい外人モデルの細みのような美しさ。
中学当時、このアンプを秋葉原できれいだなあと、どきどき抱えて眺めていました。とてもとても、手の届く価格じゃなく
憧れることすらできない、みなかったことにしていたアンプでした。
これバイクのヤマハ発動機と組むことが多い
栄久庵さんのGKデザインの手によるものみたい。
聞いた音もデザインに似てきれい。
ヤマハビューティというのはこういう音のことか、
とはいえ、古いせいか少し…まあいいか。
一度憧れ好きになって手の届かなかったもの、
それは特別で他に代えがたいもの。
中学生だったぼくがのぞきみてたA9という
美しき官能の世界。
いまや、気に留めるひともいない安価。
欲しいなら手に入れなくては。
ものを大事にするというのは、そういうことではないかと。
断捨離?、それなんですか?
古いものは直せるのに、新しい機械は直せないという妙
規格自体がかわるので壊れなくても使えなくなるという妙
修理代にかかるかもしれないけれど
直してくれる専門のところがあるというのは
なにかを引きずる者たちの、心強い味方です。
ここで、1万ちょいでした。