枕もとの水鉢でいつまでも騒いでいる、いもり
そのがむしゃらな生命力をみてると
魔術の素材として鍋に入れたり、精力剤として珍重されるのも
わかる気がするなあ、実際はそんなことないにしても。
で、今日のランチは、そういうのを干したのが店内に
たくさんぶら下がっていそうな店に入りまして。
■七ツ森にある店、雑然とした入口に
「食堂です」と書いた板を抱えている、なんとも
年季の入ったのぬいぐるみ。
食堂って書いてあるから大丈夫、安心
って思っていいのか、いやちょっと待てよと、迷いつつ
ええい、ままよ。
食べられますか?と尋ねながら、だれも客がいない店内に足を踏み入れ
なにがあるのかな、とメニューを探しあてて、ほっとして眺めるとそこには
おにぎり150円
魚定食600円
ラーメン400円
冷たいラーメン500円
肉うどん400円
カレー500円
半カレー中華600円
納豆飯400円
「きのこ汁きょうで終わり」
…とっても迷うメニュー。
とりあえず、きのこ汁とカレーを頼んで
トイレに行こうと厨房のわきへ入ったら、
ねこが、目の前を走って行った。
まっいっか。
ちいさいちいさい。
で、いまもこれを書きながら、
どっから切り込めば いいのかとっても困るんですけど、
とにかく今まで入ったなかで、
ベスト5に入りそうな店です。
■店内から、入口付近。
「新しいストーブ募金箱」というのが置いてありまして
ちよっと吹きそうになりました。
きのこ汁とカレーしか頼んでないのになんか小鉢が
みっつもついてきた。
なすの味噌味のなにかと、
切干大根と、長ネギのぬたみたいの。
■カレーはビーフ味。
当然安いルーなんだろうなと思いつつ口に運んで、あれ?
ルーっぽくないなあ、ちゃんとビーフだなあ
でも、なんか酸味あるんだけど…大丈夫かなあ、
煮詰まった感じだし、苦みは鍋の焦げかなあ。
でもうーん。なんか偏見捨ててとらえれば、日曜しかやっていない近くの
ログキャビンのあそこの1000円ビーフカレーと似ているような…
少しの焦げの風味といい、いやまさかね。
後になっても胸焼けとかしないので、もしかすると
ちゃんと作っているのか?この値段だし、そういうレトルトでもあるのか、いやまさかね。
と、ちょっと不思議な感じ。
ちなみにぼくは変なあぶらもん、食べると
とたんに体調が良くなくなるのですけど
ここのは、悪くならないので
どうもそれも妙なんですけど、いやそういう言い方も申し訳ないんですけど
不思議なことにおいしかったんで、よしとして
そんなこんな自分の中でせめぎ合っているとき、ふと目についたのがはちみつ。
日本ミツバチのはちみつだといいます。
■へえ、と小さい瓶のを手に取り
蜂飼ってるの?と聞くと
「その辺やあの辺に勝手にいるんだ
それを取って、絞っているんだ」と
建物の上を指さしながら、しゃきしゃきおばあさん。
へえー、と指さしたなにもいない天井を見上げるぼく。
ちなみにこの店は販売元になっていました。
■店内小上がり
水、お茶、ビールセルフサービス
と書いてあり、なんだ?とよく見ても
やっぱりビールの文字。
かなり吹きました。
なんだかいよいよ変な店だなあ
きょろきょろしながら、食べおわりさて出ようかと腰をあげたら、
だれかが入ってきました。
しゃきしゃきおばあちゃんが、おかえり。
ただいま と 若い女性。
なんか寅さんみたいな世界だなあ。
けなしていたのに、きゅうに あれこれほめことば いう寅さんのパターンだ。
で、ぼくはあげかけた腰を下ろす。
「クルマゆっくりはしってっから前の車おいぬいたら
急にスピード出してきて、あおられた。
抜いて言ったと思ったら、今度はすっごいゆっくり…」
腹立つよねーいるんだそういうの、とおばあちゃん。
ひとしきり、みやげ話も終わったようなので、
さて、とほんとに出ようと会計お願いしたら、
「はちみつも併せて全部で 千円でいいよ。
きのこ汁はそれで終わりだからサービスね」
安すぎないですか…。
■ちょっと意味がつかめなかったのですが、
つまり、夜、店に入って、話に加わりそのまま帰る客が
いるということなんでしょうね。
食べても食べなくても会話に加わった場合、おつまみ料金を
頂戴します、との張り紙。
そりゃもっともだ。
他にも自分の家だと思って、キレイに元に戻してくださいとかの
張り紙もあり、なんか、ちょっと同情。