夜、それも、日付がかわった深夜
さびしいとき、金魚ちゃんを見に行きます。
元気にそこにいるかな。
いや、元気にではなく、
静かに、そこにいるかな。
それは、まるで酔っぱらったお父さんが
隣の部屋で寝ている子供の顔を見に行き
お母さんに、ちょっと、起きるから静かにして
とか、怒られている風景と似ています。
金魚ちゃんは、そんなぼくの思いと関係なく
静かに、
それはとても静かに、
口を下に、砂利にうつぶして、じっとしているのです。
そんな風景を見ると、
なぜかちょっと安心する、みんなが寝ている深夜。
あしたの朝には、また、朝がきて、光がさして、
金魚ちゃんは、またぼくを求めて、
はくばく、ひらひらと、騒がしく。
そして、ぼくは餌をやろうか、いや冬で
凍りそうな水温、能力低下の体温だからと、
葛藤して、いつもなにかを決めて
そのたひ何かをあきらめ、
どっちにしても、金魚ちゃんに謝ったりするのです。