うさぎとピクニック

うさぎと、自転車、田舎での日々

勝手なつぶやき

へんな店

七ツ森のへんな食べ物屋さん。
へんというか、考えようによっては
すっごくまともなんだけれど、
いや、やっぱり変だ…。

日曜日、こんにちは、
と、店のドアをあける。
と、店の中にいる、店の人でないひとたちが
ストーブを囲んで、一杯飲みながら
しゃべっているその視線の集中砲火を浴びる
まず入る前に、覚悟をしなくてはならない。

そして、店の人はどこだと視線を合わせながらその中から探す、

あ、いた、と思ったら、

久しぶりだなあ、と別のひとりに
話しかけられ、えっ、あ、まあ、
…なんといっていいのやら、
まえきたときにいて、
あのときは、そうだ、たしかみんなで食べていた
どこかの売れ残りのプリンをもらったときにいたっけ。

座敷にあがろうとすると、ああ、こっち開けたから
あったまれー、
と、声。
ずらずらっと、男の人、六人か、七人かが
薪ストーブのまわりに座っているよこに入れてもらう。

これ食べれ、全部たべていい。
大きなブリの頭がひっくりかえったのをまるごと渡される。

兜焼きだとか。でもいやそういうわけには…。

だいたいあなたさんは店の人じゃないとおも…

ここにあるの好きなのとって食べてね。
その中にいた、女主人が改めていう。
いや店のひとに、そういわれても…

緊張モードがなかなかほぐれない。

ブリの兜焼きは、ほんの少し。
それとストーブの上のブリ大根と、
あとなんだか、わからないのをいくつか
自分で惣菜タッパーからだして皿に盛る。

それと、おじさんたちに囲まれて
さらにその会話の世界にさっぱり入れない。

軽自動車のバッテリーが高い、八千円もする。
別の人、電動自転車の電池が高い。
27000円もするから買えなくて、
しょうがないから、普通の自転車を買おうかと。
別の人、いやいや、27000円でバッテリー買えば
電動が付いてくるんだから、いいんじゃ?
本人、でもさあ、30Kしか走れないんだよ。
別の人、いやいや、30Kって結構あるべ
石巻あたりまで行けるんでないの?
別の人、それ片道だべ、
帰り帰ってこれねえって。

ぼくはひたすら食べてた。

ぜんぶボケみたいな話に突っ込みたいというか、そもそもの論点が違うというか。

なんかさっぱり食べた気がしないというか
いつ話降られるかと、いうのも妙に緊張で。

帰り際、つやつやのぶりの切り身を
たくさんいただいてしまって、
あらー、
これはどういうことか…。
いつもなにかもらうので来たときミカン数個渡したせいか
500円のカレーに「食べ放題おかず」と新鮮ブリの切り身のお土産がついてきた。

なんか、やっぱり変だよなあ…。

それにあのお互いのことをよく知らないような
おじさんたちはなんで日曜の昼間に毎回
あそこで、できあがっているんだろう。
クルマ屋さんとか、清掃業者さんとか、
それぞれ違う仕事をしているみたいだし…。

女主人は、ここに来たのは17年前で
前のとこと違って、ここは周りから差別的な
変な目でみられるという。
田舎はいやだと、いう。

たぶん、同じようなひとたちが集まっているのかもしれない。

ここのひとはみんな優しい。