うさぎとピクニック

うさぎと暮らす、おもに自分の日々

勝手なつぶやき

あと一枚ギアが

トラックが追い越すときの、生暖かい風。
小さな木陰をくぐり抜ける花の優しい、ときに芳しい香り
アスファルトのうねり、タイヤが砂をかむ音、
少しの登りに息をきらし、がんばれとつぶやく。
無我夢中になる一瞬。その一瞬がどれだけ続けられるかが
スポーツなのかと、自問自答しながら急でもない坂を
登りきり、ほっとギアを一段づつ落としていく。
なつかしい強く反発をねじ伏せながら踏む感覚、
それは若いときのエネルギー。

ろとーレーサーの自転車を、始めてから二か月。
やっと300キロ越した。
今日も、最高気温36度
うだってばかりいられないので

夕方になってからライトをつけて、街中へ。
脚がしびれる、腰がしびれると、
鍼に。

先生いわく、入ってきたとき、だれかと思った
別人みたいだと。弱いイメージだったけど
身体も雰囲気もアスリートみたいになってきてますよと。
最初の頃、身体を押そうとしても指が入らないくらいで
びっくりしてこれはどうしよう
と思ったくらいでしたがいまは素直になってきてます。
運動が向いているんでしょうねと


ふむふむ、いい気になっちやいますよ。

 

帰りに黄色いエネルギーチャージ水を一気に数杯飲んだ後
ひたすら帰路。


駅の近く、暑いのにスーツでサラリーマン少し急ぎ足で
がんばれ。
けたたましい音で住宅街、尾灯の切れた二人乗り原付も
がんばれ
赤信号、交差点、とまったぼくを横目にさっさと追い越していく
こどもを載せたママチャリ、がんばれ。
30キロから40キロにスピードを上げたけれど
なかなか追い越してくれない、大きなトラック
この速度はウルトラマンのカラータイマーなみ
直線になってごめんいま追い越してと、止まりながら手で合図。
優しいトラックの運ちゃんがんばって

いや、いちばんがんばらねばならないのは自分なんだけれど。
長い坂道、ギアが一枚残っているかどうかわからず
走るとき、そのギアをあげたらもうそれで
おしまい、あと一枚軽くできるギアがあると思って走ると

なんだかがんばれます。

小説の「ひときれのパン」のごときです。
主人公は、親切のお礼に年配の男から布に包んだパンのかけらをもらいます。
戦時中、ドイツから逃れた一般市民。
空腹に耐えられずなんども開いて食べようと思います。
そのたび、その男に言われた言葉を思い出して
踏みとどまります、本当に苦しいときはまだだ、まだ開けてはならないと。
なんどもくるみしみながらも、布を握りしめ
他の弱音を言う人とはことなりそのときを乗り越えていきます。
そしてあけずに、やっとの思いで家にたどり着き、
これが助けてくれたとそのつつみを開いてこぼれ落ちたのは、
一切れの木片。ありがとうとつぶやき物語は終わります。

頑張れるときなにかの理由があるはず。
あしたも走れますように。