仕事で、人のおうちにいったら
外にでかいスピーカーが出してありました。
粗大ごみの400円シールが×2貼ってありました。
ピンポーンした後、
あ、コーラルではないか。
夢中でみていたら、おうちの人がそこまで出てきました。
【ツイーター】
これうちのひとが、昔作って
ローズウッドの無垢板で
振動抑えるとかなんとか
ネットワークも自分で作って
響きがいいと、オーケストラとか聴いていたの。
でも、高音がもう少し、と言ってこないだ新しく作ったから
今までありがとうって、撫でてお別れを
誰ももらってくれる人がいないから
泣く泣く、と。
【スコーカー】
コーラルは完成スピーカーも作っていましたが
もともとユニットメーカーなので
ひとつひとつのユニットを買い求め意図をもって合わせたのでしょう。
とても大事にしていたという、それを捨てる悲しみは
ぼくも経験があります。
引っ越しで部屋に置けず捨てた後、何度後悔したことか。
そのときは覚悟したつもりでも後で必ず後悔の念がわいてきます。
それを思うとほっとけませんでした。
【ウーハー】
で、もらってきてしまいました。
天板には、はがしきれない400円のシール。
いまはなき、こだわりのオーディオ用スピーカーメーカーコーラル。
フォステクスと違って、安いスピーカーを作らなかったので
つぶれてしまったメーカー。
音はまだ聞いていないのです。
30キロあり、玄関で治れかけた腰が限界、
そこから移動ができないので置いたままです。
どうもね、昔、それと同じ時代に生きていて
希望と熱意をもって作られた機械ものが
捨てられてしまうというのは忍びないのです。
中古屋さんで古いアンプや古いスピーカーに囲まれると
安心しますね、
昔は憧れ、いまは懐古のものたちが新しい場所もとめ仮住まい。