お気に入りのアーティストの
新しいアルバムが出るたび、買い求めてアーティストと年を重ね
彼らが新しく開拓した音楽世界とともに成長していったっけ
20年前くらいからはあまり変化もなくなり、こちらも
買うこともほとんどなくなって、ほかに
新しいものをと、アーティストを探してもすでに完成されているものばかりで
とくに面白みはなく。
ぼくもだんだん終わりなのかなと思いながら昔聴いた
古いアルバムばかり聴き直している最近。
ふっとむかしの曲を聴いてあの時代断片的に思い出すことがあって。
そういえばと、保育園で子供の面倒を見ていたとき
ぼくを見ると走ってやってきて、膝の上にいつもぺったりくっついてきては
ときどき、ちぇんちぇいちゅきといってキスをしてくる五歳児の子がいたっけ。
ためだよといいつつ振り回されて、
あれから20年、ということは、いまあの子は25才?
うそまさか、いや
25才だ、どう考えても。塑像できない。
どうしているのだろう、走ってきては飛びついてくる男の子、歩夢くん
だんだんぼくがうしろに下がるほどの勢いになって、
鼻水たらしていたあの子は24才かな、元気かな。
そういえばそのとき付き合っていた女性も25才だったような。
ちょっとよくわからなくなる、いまはとすると45才
これもまたちょっと想像できない。
年を重ねるということは失ったことを思い出すことで
すぎていくものなのかも。
ところでいま住んでいるとこは、市街化区域であり限界集落であるので周辺は
新たに家を建てられない。
隣の先日まで一晩中、ついていたトイレの明かりが消えて
いまはいつも真っ暗の家。
そのうち、あと20年もしたらあたりから誰もいなくなるのだろうな。