うさぎとピクニック

うさぎと、自転車、田舎での日々

勝手なつぶやき

第二回なまはげライド

 (いままでなく長文なのでゆったりどうぞ)

 

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レースで一番にスタートする心地よさに目覚めたので
今回は旅館でおにぎりを作ってもらい、六時半すぎ自転車を並べました。
先頭に。
特にエイドで食べ物が無くならないうちに
とっとと、食べてはさきのほうを急ごうと。
後の方になればなるほど、混んで 並んで時間を無駄に消費して遅くなる
という悪循環に陥るもの。
とはいえしっかりおにぎり食べました、経験は生きます。

 

コーディネーターとうっかり正面に一緒に並んでしまったのは愛嬌。
スタートして第一エイドを目指します。
いきなりの急坂の連続にぜーぜー。集団がばらけます。
ペースキーパーがやけ速くて、とっとと先に行ってしまう。

ぼくはもう、その後は、集団の中の五番手くらいの位置をキープすることにして
埋もれます。
ひとのお尻を見ながら、ときどき景色を見ながら。
水とフルーツを食べてなまはげ館駐車場の第一エイドを出ました。

 


そのあも意外にのぼりくだりの多いこと、
のぼってはくだり登っては下り、飽きてくるほどでした。
トップスタートグループのなかにいるのは志願者ばかりなので、
わりと足に自信があるひとたちばかりだと思いますが
それでも登り坂のたび、ばらけていきます。
やがて、平らな浜辺に。
第二エイド。

 

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ここではしょっつる焼きそば。
やきそばの屋台ごと、海の家に出前してきた印象で
おもしろい。
(営業許可の関係からしてまさしくそうでしょう)
作ってはパックに詰めていきます。
ぼくは、味見に一口頂き、おいしいものの、時計を見るとまだ朝九時前。
以前焼きそばで懲りた経験があるので、計画通り持参のジップロックに入れて
バッグでお持ち帰り。

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男鹿市を離れることなく、大潟村に添って平らな道を走ります。
どこまでいっても同じ風景。
つまらない、おなじ干拓なら、オランダみたいにすれば良かったのに
と、思いながら、うっかりすると前のひととの距離は数センチにまで近づきます。
追突しないよう、数十センチの距離を保ちながら
ローテーションなしの集団で走ります。
ありがとう、風よけになってくれて、足が休めれます。
あとあとここでの足の温存がずいぶん効いてきました。

 

時速は集団効果もあり、35Kをときどき越えます、
この時点で平均26K、わりとハイペース。
先頭を走る人たちなのでハンドサインもつぎつぎ出ます。
走り方もきれい、それをみているだけでずいぶん勉強になります。
ぼくはただくっついていく。

 

レーシングチームに入っていないので(同好会には入っている)
うまいひとと連なって走ることがなく、こういうときは観察の場、
ペースの作りひとつとっても勉強になるなあと思いながら
つぎのエイドへ向かいます。

次のエイドに向かうという目的があって走るのって楽しい。
しかも自分が考えて、買い物するのでなく
用意してくれて、そこで来るのを待っていてくれているのです。
お疲れ様、と温かく迎えてくれ手渡してくれる
お菓子の袋。

次のエイドは、なんとタイごはんと、ざっぱしる。
はじめて食べました、ありそうで食べたことないタイの炊き込みご飯。
これは半分食べて、もちかえりバッグに。

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ざっぱしるは、透明で、聞かなかったのですが
きのう食べたフグの潮汁と同じ味がしました。
どんな味かというと、お酒をちよっといい会席のみせで飲んで
最後にタイのお茶漬けとして出てくるようなそんな透明な汁。
郷土食でしょうか、おいしくておいしくて、
たったいっぱいで満足、すこしの塩気がお腹にすーっと落ちていきました。
水より、ご飯より、これがいい。
でもお代わりできるなら、すればよかったななんて
ぼくもずいぶんずーすーしくなってきた。
後の人のことも考えず。

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おやつセットのなかにあった、おやき。
いまビールのみながらとりだして食べているのですが
これ、なんだろう、おいしいんです、なかに餡がはいっていて
皮は、厚みにむらがある、米粉のような餅のような
しっとりした塩気のある、どこかでたべたことあるような
ないような新しい味。
固形お汁粉といったら近いかな、皮がもっちりして柔らかで素朴な、甘味
おいしい。
一口の中に作った人の優しさと満ちて、
食べると口の中に満足が広がる。

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イクラックは一杯で、置くところが無くなってきたのを見計らうように
エイドに、第二のグループが来始めます。
先頭のハザードをつけた大型バイクとスタッフが立ち上がりはじました。
促されるように、第一のグループのぼくらは足早にスタートします。
いい感じ。あまり待たず食べて、あまり無駄に足を休めず
10分くらいで再スタート、

 

ここからは海岸線沿いを、スタート地点まで半島をめぐります。
風が強く吹くので前との距離をシビアにつめます。

ときどききょろきょろ
おもに前のひとのお尻。
青い空、白い雲、海の波。
つぎつぎと スライドショーのように
景色がうつりかわっていく

赤い岩場だったり
青色の空や
海の色

迫る山、草原の隙間
風になる


沿道ではしきりに手を振ってくれます。
畑仕事の手ををやすめ、
わさわざ家から出てきて、

消防署では全員表に出てきて、手を振ってくれて
クルマへの注意喚起で頻繁にすれ違うパトカーはみなこちらに敬礼をしています。
(笑って手を振って欲しいとの朝のあいさつだったので
ぼくらもニコニコとパトカーに手を振ります、
なんだよそのフレンドリーさ、つい笑ってしまうじゃないか。)

 

次のエイドはハバヘラアイスに向け平地オンリー。
なんだかペースが速くなってきたぞ、
気が付けば40K。
集団のありがたさ。
あっという間に、ババヘラに到着。
花びらを作ってもらいました。
自分的にはアイスより
女子高生プレゼンツのブラックアイスコーヒーがおいしく
しみじみ頂きました。
それとかりんとう

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ここまでで、半分強、筋肉疲労はあったけれど
まだまだ大丈夫、でした。
で、まわりのスタッフがくちぐちに行っていたのが
ここからがすごいよと。
坂。
すごいたって、まあ、坂でしょ。たかが。
と思っていたのですが、

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ほんとにすごかった、なにがって
登って下って、また下ったより高く登って
という海岸線まで山が切れ込んている三陸のような
地形にありがちなきついアップダウン。

もうなにかを考えている余裕もないほとで
容赦なく、
アップダウン。アップダウン。
この辺になってくるともう、集団はありません。
それぞれが自分の気持ちいいペースを求め始めて
自由にばらけます。
平地で気持ちよく追い抜いて走っていった人が
坂になった途端失速して行ったり
あれ抜いていいの?
みたいな状態になるのが心理戦かと思えるくらいおかしかった。

前にいるひとは坂ではもう全部抜く
という、こころづもりができあがりました。
こないだのレースでもう遠慮しないでいい、と分かったので。

 

下り坂、なかなか無い断崖絶壁、
下りコーナーのスピードを競うつもりはないのだけれど
けっこうセーブリミッターを外して走っている割に
前に追いつかない。うしろからもだれも追いついてこない

なんだこの安心な、孤立無援感は。
そしてたぶんここで、このライドの最高速度を
出していたみたい。

時速72k そんな出した実感がないのは路面がいいのと
景色が広いせいでしょうね。
半島までむかうクルマもあまりいない

ただ、コーナーをまわったとき、
膝くらいのガードレールのむこう、眼下が
みえて、うわっここ、突っ込んだらまっさかさまじゃん
と思いました、そしてそのコーナーの出口にマーシャルが立っていていましたが
…だれか落ちたら報告するんでしょうね、ひやひや。
落ちる前の場所に立っていた方がいいような気もするが。
そのあとみんな無事追加したかな、あのコーナー。

 

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つぎのエイドは…実はここに備えて
しょっつる焼きそばも、タイめしも、セーブしたのでした。
はたはたと、のどぐろの寿司の食べ放題です。
ひゃっほー。

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一個以上たべてもいいですか?と聞いたらいいというので
では、と四貫。
そしておかわりでまた四貫
味は、うーん、まあこれについてはそれなりかな。
男鹿水族館GAOにも無料ではいれたので中をお散歩がてらひとまわりしてきました。
いい時間の気分転換。

で、でてきたら、第一グループがいなーい。
もうここから飛ばしましたよ、
しかも坂、坂、登るだけの、下らないしかも
これを激坂と言わずしてどれが激坂かというような坂。
歩いているひと多数でした。

よくぞこんなコースを選んだな、ヒルクライムレースだってこんな坂ない…
そうなると燃えてしまう。

そして突破したあとなだらかに下る、まるでエントランスのような
ご褒美ロードのような演出が見事、
このあとまた登るのかな、油断できないぞと
思ってたものの、そのままなにもなく
エビローグにふさわしい、緩やかに下る天国ロードのままエイドに。
海を眼下に眺めながら、気持ちがとてもよかった。

 

そして最後のエイドは、しょっつる汁。
はたはた二匹。
これがまたうまい。
はたはたがいい感じに固くて、
汁も変な味が一切なくて、ちゃんとつくっているのが伝わります。
ありがたいなと、ここでも汁物に感動。

(スマホ電池切れたので写真なし)

一息ついたら、いいタイミングで第一グループが最後の集団でスタートするところ。
ぼちぼちとスタートしたものの
これが
またね、やっぱりそういうのが好きな人たちが先頭にくるんでしょうね。
コーディネーターがうしろから、スパートして一気に抜いていきました、
集団でゴールするよーといっていた本人。

集団でおとなしく走っていた後ろのほうから、
うっそー、いくのかよ
とぼやきが聞こえます。

先頭が、一気にに速くなり、えー。
…ばらけました。
しょーがねーなー、
でぼくも置いてかれないようスパート。
地味に坂なのに。

で、ゴール
はやいねー先頭グループと言われたけれど
だってみんなそれ習性でしょというスパートなんだもの。

たのしいね。

ひとりで行けなかった、知らない道
遠い場所、
ひとりではくじけたかもしれない激しいアップダウン、
知らないひとのおしりといっしょに走れたこと
(顔も名前もわからない、おしりだけわかる)
記憶をおもいだしなから感謝して。
乾杯。
できたなら、走りながら会話したかったけど
心の中で、会話してたかな
よこいくよ、いい?
前を走ってくれてありがと
風つよいね、
きれいだね、

いっしょに走ってくれたひとたち、
スタッフボランティア、沿道の
みんなにありがとう。