うさぎとピクニック

うさぎと、自転車、田舎での日々

勝手なつぶやき

青森へその2


昨日どこまで書いたかな、とブログをみて確認
寝ぼけながら書いていました。

300kを越えて、どんどん人影がなくなり
クルマもいなくなり、民家も、そして街灯の明かりすらも
なんだかない。これがいよいよ
白神山地らしかったです。
ちっともなにも見えないのだけれど
満月の陰で右側に山影だけが見えていました。
それと時折波の音、木が風で擦れる音。

ここまでリチウム乾電池ライトだけで走ってきましたが
Usbライトもオンにしました。
あまりに暗くて道路と木々と空の区別がつかない。


300キロまではなんとか順調でしたが
これは、このあとはなんでしょう、
200k走って翌日また200k走るのとは違う世界だと
このとき気が付きました。

なにしろ疲労が蓄積する一方で
進んでいるのかなにかが時間の中で空回りをしているのではないかという
さながら時間の流れが止まってしまったかのようでした。
誰もいないという寂しさのようなものはなく
なんでしょうね、昔最終列車で
山に向かい、深夜に山の中を歩き疲れたところで
登山道上でビバークをして山に登ったことなど突然思い出しました。
あのとき、もそうでした
なんということもない
ただ暗いというだけのことで、時間や疲労の観念が全く違ってきて
大して進んでもいないのに、もう十分来たと、ビバークした場所はほとんど
進んでいないところでした。

今日も、走っても思ったほどすすまない、という悲しみの中では
どうしたらいいのだろう、と堂々巡りでした。
コンビニなどは全くなく、自販機がある道の駅が、ふたつみっつあるくらいで
あとはなにもないのですここの間の60キロが
どれだけ遠かったか

一度仮眠をしようと思ったのは意識がもうろうとしてきたから
眠くはなかったのですが、なんだかぼうっとしてしまって。
小屋になっているバス停で横になりました。


先日深夜に走ったブルべのときは暗闇から速く抜けだしたくて
急いだような気がします。
速く走れば夜明けを速く自分のものにできそうで。
今回はたまたまこのなにもないあたりで
真っ暗なことになってしまったからかもしれないけれど
深夜の闇の中に懐柔されて早くにもがくのをやめたという感じ

目をつぶっていたらいつしか寝ていて起きたら20分経っていました
そのつぎもまた全然思ったほどすすまなくて
なんだか時間が過ぎているような、速く過ぎてほしいような
距離も景色も変わらない真っ暗の中
このとき、もういろんな意味でエスケープルートにてルートラボを進めていました。
雨の予報が10時から青森市周辺に出ていたこと。
風向きが常に追い風でつまり竜飛岬で方向転換すると80キロほど向かい風になること。
お尻の擦れと筋肉の張りが強くなりつつあること
それと、気持ちが悪く(胃が)なってきてなにも食べられなくなってきたこと。
いろいろですが、この時回しても疲れに対してすすまない理由が暗闇以外に
パンクというのは気が付いていませんでした。

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ショートカットすると決めてからはもう、さほど急がなくてもいいかなと
海を離れる前に明るい海をみたくてイカ焼きの道の駅でただねっころがって
目をつぶっていました。
中を開放してほしいなと思いつつベンチ
汗が冷えなんだか寒くなってきました。

メンソレータムをつけなおします、やっぱり飛び上がるほどひりひりします。
これでサドルに跨がれるのがむしろ不思議なほど。

300キロあたりに 切り替わりがあるのかな
頑張って走るだけではたどり着けないエネルギー切れのようなもの
そこがまだよくわからない
一生懸命200kまでは食べたんだけれど…
吐き気もでてもなにも吐くものがないし。

さてと道の駅を出ようとしたら
ちいさなギャップでフロントタイヤがゴンと
なにかリムうちみたいな衝撃があり
あれ?まさかと思いつつ、小さい駅をみつけて
写真を撮ろうとそこに入ったら
再びなにか異音。止めたついでにタイヤをつまむと
ぐにゅん…。
ひー。

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でもあれまてよ、仮眠を挟んでここまで持ったということは
これはすぐ抜けないスローパンクか、
だとしたらあれでいいや、
そう、ボンベで炭酸ガスを入れるだけ。
(パンク修理はできたらあまりしたくないので)
後ろのシロッコにはエンデュランスタイヤですから
パンクの心配はさほどないのですが前につけてるニュートロンは
レース用パワータイヤ、さっと見た感じや音を聞いても
抜けてる場所がわかりません。
ボンベを取り出し、数十秒で終了でした。
そのあとの走りは結構軽快で、あー、これこれ。
いやもっとも夜が明けたからともいえるかもです。

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海辺、漁師町、千畳敷海岸の観光地など
(初めて観光した)みながら通り過ぎます。

ひさしぶりのコンビニにほっとしました。

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そのあと普通の生活道路、時間とともに交通量が増えてきて
自転車はしりにくいなと思いながら、一路青森市に向かいます

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つよい向かい風あと残り40キロのメーター、
ちょっとめげそうになりながら
ふんばります。ここでタイヤに空気補充。

 

高速道路みたいなバイパスを走って
(青森って自転車乗ってる人ほとんど見ませんでしたママチャリですら)
到着、ほっとしました。
九時
出発してから24時間ほどでした

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着いたとい実感のないまま、切符を買った後
あと、どうしようかと、ぼうっとベンチで座っていました。
と、強い雨が降ってきました、
危機一髪でした。

でも自転車でこの後温泉に行こうかと思っていたけど
ここで濡れたくはないなあ、温泉入らなくてもいいかな
ご飯も、いいや。

でも寝転がりたい、ここは寒い
新青森駅周辺むかしの新横浜みたいでなにもない。


帰りの新幹線ででる軽食やシードルを気持ちよく満喫するために
どうしよう。
構内をしばらくうろうろしてみましたが
休めるとこもないようであと、ここで九時間…


気が遠くなりそうになり思いついて
タクシーで温泉に行くことしました。
自転車は駅につないで
自転車の恰好でへいタクシー。

街中の温泉に行きたいんですが
はい、いいとこありますよ。
1300円でつきました。青森駅の近くの
まちなか温泉。

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とりあえず温泉、桶がからーんと響くくらい
お客はすくないです、お湯船もそれぞれいくつもありますが
それぞれ貸し切り状態ぼくは露天に。
ひりひりじわーっと
あーきもちいい ちょうどいいぬるさ
しばらくでらられませんでした。

でたら今度はのぼせて気持ち悪いしめまいして動けなくなってしまい
脱衣所のベンチで裸で1時間…2時間くらいかな寝転がっていました
寝てました…。
そのうち扇風機の風が寒くて起きて、でもここを出たらもう寝転がるとこないなあ
と思いながらあと6時間か、と新幹線の時間まで

ですっかり冷えてしまって、今度はどうしようと出入り口に向かうと
休憩所とたべるとこがありました。
どうせなら別のとこでいいものを食べたかったですが、いいもの食べても
気持ち悪くなるかもと、とりあえずマグロの中落ち丼。
タンパク質が命。雨降ってる中歩きたくないし。

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ご飯全部食べ切れず、少し残してすみません。
今度はマッサージ器して休憩所

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いいなあここあったかくて、入浴料の350円だけで
テレビ見ながらずっと寝転がっていられるなんて、天国だ

もっと早くここにくればよかった。

…ながくなったのでまた続きます。