うさぎとピクニック

うさぎと、自転車、田舎での日々

勝手なつぶやき

第33回矢島カップM`t鳥海バイシクルクラシック

泊ったまさか旅館に、ある意味憧れのマビックカーも泊まっていました。

略すと まさかにマビック

(伏線)

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夕暮れの鳥海山とマビックカー

夕食の中の一品、焼きたてイワナの塩焼きがおいしかったな。

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サービスで一杯、いただいた限定日本酒とまた合うのでした。



さて、本日、ヒルクライム当日のことはどう書きましょう。

 


去年の蒸すような暑さに熱中症状態で大幅に
試走時のタイムを下回ったことから調整の一年が始まっていました。
そのため、今回は鍼灸の先生に足の先からおへそ、首、頭の先まで
鍼を打ってもらい暑さに強いように整えてもらったり
前日、床屋に行ったり、
紫外線による体力減失抑制にと、クールタイプの長袖インナーシャツを
アウターに転用する作戦を取ったり、と準備をしてきました。
(伏線)
自転車にはボラ35フロントで、リアはせっかくなのでこういうときしか
使わない、ボラ50チューブラで(ハイトは35クリンチャーとさほど変わらない)
スプロケを28に入れ替えたりしました。(伏線)

宿泊も前回はテントのあまりの暑さにひどい夜を過ごした末に
レースも悲惨なことになったという思いもあるので
今回はきちんと近くの宿をとった次第。

ちゃんと夕ご飯も食べ、宿泊者全員はレース参加者のため
騒ぐ人もおらず、はやめに休むことができました。
といっても23時くらいまでなかなか寝られませんでしたが。
その夜、山の中だから冷えるかと思ったらやっぱり蒸すように暑かった。
なんとかねようと頑張ったのですが炎天下のタイムトライアルのせいか
喉が渇く乾く、2リッターくらい飲んだ気がします。
そのわりにトイレに一度行ったきりでなかなか優秀。
これは鍼も効いてるな、よしよし。

そして朝5時前に起きて支度をし、ご飯を5時半に食べ
現地到着6時。駐車場は駅裏、トイレが近くてよろしい。
時間的にはぜんぜん余裕で、勝手に集合開始の7時20分ころまで
どうしようと思ったものの、ナンバーや計測チップを付け替え忘れていたり
雨の天気見ながらアイウェアも大型のものにしてみたり、
路面ウエットだと…チューブラーは12気圧なので、滑るな
6気圧のクリンチャーにしようかなと迷ったり。

長時間レースのために買ったパンク瞬間修理材も、どうしようか
インナーシャツをアウターにすると
ポケットがないということに気が付いて、まあいいや
いままで使わなかったし、今日もないだろう。(伏線)

去年は並ぶ規則について熟知していなかったこともあり
200人くらいの真ん中あたりに並んでしまったので
ペースが遅くて序盤で抜いていくのが大変でした。
その反省もあり今回は前から20人目くらいに陣取ります。

 

さあ、よーいスタートです。
中学生が3分、1分、30秒、それぞれのプラカードを掲げ
名前をコールされて、拍手されるっていいですね。
どっかのえいえいおー、もう一回、えいえいおー、5秒前
という、あわただしさとは対照的なみんな優しいスタート前の儀式は和みます。
考えてみると33回って、いま33歳の人が生まれたときからなので
ずいぶんな歴史がある大会だ、
なんて思っているうちにスタートしてしまいました。
いつもスタートの時、もたつかないか、ふらつき接触転倒が
心配で心配ででもそれはみんな同じなのか、ゆったりスタートする様子を確認して
毎回ほっとします。
今回はクリートキャッチに失敗しましたが、ゆっくりリカバー。

後方スタートと異なり、集団で進みます。
最初の坂ですこしばらけますが、それなりに集団が
出来上がって、なんとかぼくも先頭集団で、坂を越えていきます。
平地になるとだんだんちぎれてばらけてきました。
あとはもうマイペース。30キロほどで坂を上ってきたから
少し貯金はできたかなと。
去年トイレしたのはこの辺だったかな今年は大丈夫だ。
ハイペースで競い合いながら、どんどん行きます。
だれか目安にする人はいないか、と思うのですが
なかなか足の合う人か居らず、ほとんど単独。

この辺では前スタートの年配クラスを抜くばかりな感じ。
やがて最初の下り坂。を前にして後ろスタートの若手いきいき集団が
がしがしと抜いていきます。ぼくはというと、お、
去年より5分速いぞ。という喜び。
(去年が遅すぎたというのはありますがそれでも自己タイム更新はうれしいもの)

下り坂は試走のときはがんがん踏んでスピード上げていきましたが
今回は、あえて踏まずおやすみモード、どうせ前行く人で詰まってしまうので
無理せず上り坂の手前だけ重力エネルギーを使いフル加速します。

花立、を越えると坂が坂らしくなってきますが
息切れしないようたんたんと行くモードに切り替えます。
休みながら、だるだるモードともいう。
で、ここらあたりからあまり記憶がなくて、第二の坂手前でまだ40分かあ
普通ならもうヒルクライムレースは終わっているのにあと半分もあるのかあ
と、嫌になって、というか飽きてきてしまって。
もうそんなこんなのだるだる。

水をもらってあげると嬉しいかなと中学生の一番最後のオトコノコから
水をもらい、一口飲んで身体にかけます。そんなに暑くはないのが
今年は救い。

やがて第二の坂、去年試走の時の数字、去年本番の時の数字を思い出し
計算をし、ゴール時間をはじき出すと、ふむふむよい。
これは行ける。
坂を勢いよく下り、並走し右にカーブ
先に行かれた、よし追いつくぞ、次のカーブ
ずるっと、タイヤが10㎝くらい横にずれたのを
感じました。路面の濡れで滑った?
いや、いままでこのくらいのカーブはあったし、
シールテープがずれたような…妙な感触だったので
脇にすぐ止めて、確認すると、タイヤがぐにゃっと、つかめます。
パンク…。

あきらめるしかないのか、どうしようかと思ったけれど
ここまでいい調子で来たし、まだ頑張ればなんとか、少し遅れるくらいで行けるかも
とりあえず走ってみよう、と走り出すと
ちょっと抵抗を感じるもののまあ、走れます。
クリンチャーではすぐタイヤが外れるのでできないから
チューブラーならではのあきらめきれない芸当。

あと10キロほど。ぼくのはセメントではなくミヤタシールテープで
止めているだけのタイヤなので(しかも3年くらいなんもしてない)
いつ外れてもおかしくない状態なはず。

目で直接みることができないので
走りながらのリアタイヤの様子を、ごつごつあたるお尻の骨の感触から読み解きます。
ハンドルの切れ、カーブやちょっとした斜めの段差がダメで
すぐにでもはずれてしまいそうな、ぐにゅっと嫌な感触もときどきあります。

ダンシングきもちろんパワーをむらにかけることもできないので、坂では10キロ、
平地でも20キロ以上だすことができない、

気持ちだけもがいている間にどんどん後続に抜かれていく、その悲しさ。


なんのために一年間…

という思いを飲み込みながら
いまできることはタイヤを外さないように
ゴールまで自転車を運ぶこと、でないと歩くことになる。
あるくよりは自転車のほうが楽で速いはず。
あと5キロ、という看板にほっとしつつ、まだあと五キロ
頑張ろうと、外さないで走ることに神経を傾けます。

ときどき抜かれた同年代の人に追いつく場面もあり、
ぼくまだ捨てていないぞ、と、勢い余って抜いたりもしているうち、
(ぱっと目にはパンクしているとわからない)
うしろから来たひとが、鋭角コーナーの内側でダンシングしかけたとき
キャンデー型のペダルがクランクからもげたのを見たときは
衝撃的で、思わず声が出てしまった。
ぼくのほうがまだマシ、だとか思った。

タイヤの空気がないことによる路面抵抗もそれなりにあるので
無理に回すと足に来そうなこともあり
坂が急なはずなのに、きついはずなのに、ちっともきつくなくて
ただ、ゆったり登るしかないのがきつかった。
あとお尻の骨に直接伝わるアスファルトの振動がだんだんしびれてきて
きつかった。

あと、4キロ、あと3キロ、あと2キロ、がこんなにうれしかったことはない
ここまで持った、あと1キロ、1キロならタイヤ外れても、担いで走れるか?
いや無理、もう少し乗って行きたい…
500、250、200、普段なら、この左カーブを曲がったらスパートなんでしょうけど。
スパート掛けられてもついていけず。
のったりごろごろと。

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ホイールのふちにつぶれたタイヤがのっているおかげで10キロ良く持ちました。

ゴールしてほっとしました。
マビックカー探しながら頑張ってきたけど
途中にはいなくて、ゴールまで登って来てしまった。
チャンピオンクラス向けサポートなのかな。
声をかけて、下りようにホイールをつけてもらいました。
シマノでも問題なく使えるということでしたが位置やうカンパのもあるということでカンパスプロケのものを。
キシリウムプロというものだとか。アルミみたい。

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ぼくのホイールよりギアが、スパスパ決まるのなんで。



カーボン用のシューにアルミの組合せだけど
矢島の下りは、長いしなんだかんだカーボンは不安だったので助かりました。

タイムは、なんと去年の試走も含めて自己ベスト。
気持としては微妙。
なんだかんだ矢島とか鳥海ブルーラインは毎年何かあってベストで臨むことができません。
鬼門?
来年に向けての課題と思って、クリアーすべく精進します。
ブルーラインは腰痛だったりお尻腫れだったり、脚しびれだったり
こ今年は、前日ガードレールに激突して脚をぶつけDNSだったし。
矢島は熱中症と、今年のパンク。
来年はその悔いを生かして対処します。

怪我をしなければ、チャンスはまた来ます。

でもたくさんの人数の中競い合うって楽しいね。
ほとんど単独走のブルーラインが自分の中で急に色あせてきました。

あ借りたキシリウムプロ、みためなんということもない
なんか、アルテグラみたいなホイールですが
これ登りますね、なんというかしっとりしていて
重たいような気もするのだけれど、踏むとしっかり加速します。
年齢関係ない下りの先頭集団が長い登りでがんがん行ったときも
中でしっかりついていけましたから、不思議なホイールです。
ボラよりいいみたい。というかボラってどこがいいのかわからぬ。

 

帰りはいつになくゆっくり。
矢島を楽しもうと、表彰式のお祝いした後、
道を歩いていたら、駅のホームにテーブルが見えたので見に行ったら
350円でアイス珈琲が飲めました。
ホームカフェというらしい。入場料不要。
いろいろたのしいことやってますね。

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まんまホームのカフェって初めて。

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ホットコーヒーはなぜないのだろう

で、まさか温泉に入って帰りました。
ぼくが泊まったのを覚えていて、お疲れさまでした
さあどうぞ、となにも言わないのにお風呂に
手招きしてくれて。
帰りも、社長が車まで見送りしてくれて。
ありがたい、つらい気持かすこしほころびました。

また来年きますと、言いたかったけれど
窓を開けずに、、あたまだけ下げました。

ほんとの気持は心に秘めて。