うさぎとピクニック

うさぎと、自転車、田舎での日々

勝手なつぶやき

庄内へ、それと月山八合目

どこに行くのか、どこから来たのか聞かれることがたまにあります。
相手がなにを聞きたいのか解するのに時間がかかり、
だいたい自分がどこにいるのかはっきりわかってないとき
途中まで車できたときとか、家の近くの観光地とかだと困るのでした。
その点今日は単純でした。


朝、三時半目覚ましとともに、うだうだ起きて、
うさぎのたまちゃんが
あれ早くない?とりあえず出してね、アピール。
ごはん大盛にしているうちに一回りして、自分のおうちに
戻ってきたので、ケージの扉を閉めて、行ってきます。

目指す、まずは関山トンネル。

 


途中コンビニによります。
朝ごはんを買っていたら、入ってきた人が
ブルべですか?と話しかけてきました。
今100キロマラソンをやっていてスタッフなんだとか。
岩沼旅館から、関山、遠刈田とか。話好きなのか、
それからずいぶん話を掘り出されで聞かれたので
ヒルクラレースがメインで、鳥海は一時間二十分台だったというと驚かれ
自分は二時間かかったとか。普通そんなものなのかな。
44才と言われてました。
ぼくの年齢と名前を聞かれたけどいや名乗る程ではないと
思いつつ、聞かれたので伝えましたが。
今から泊りで庄内、ついでに月山に登りますというとさらにびっくりされた。
変な方にお会いしちゃった、とか言われた。
変な人って昔から言われなれてるけど、初対面の人に言われたのは初めてかも。
しかもコンビニでってなんだそれ。

開催概要 – みやぎ湯めぐりウルトラマラソン

ぼくのほうは
庄内はまっすぐただ行くだけなら100キロちょいだし
そんなに、大したことじゃない、ただ今日のコースは
伝えにくいのでそこまでは言わなかったけれど
東根から、河北経由で
今まで通ったことのない道を通って大蔵、戸沢をたどります。
旧道っぽい道。
そして足があれば、月山に登ろうかなと。


四時すぎまだ真っ暗で作並まで来たら、言うように
走っている団体がいました。
すっげーな。
100キロ。ぼくなんて歩行者信号が点滅し始めたのでいそいで渡ろうと
走ったら、足が疲れて途中で走るのやめてしまう。
数十メーターが限界。足で走れるってすごいこと。
自転車はたぶん抵抗が少ないから、楽にこげる。
そんなもんです。自転車の100kとは全然違いますよ。

やがてトンネルを抜け東根に入るころ
山から朝日が昇り、果物畑の盆地が明るくなってきました。

好きな時間、好きな風景。

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先週と同じ場所ではあります。

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東根空港の脇を通る道が、最近好き

静かな商店街を抜け、田園が広がる平たん路から
左折して次年子方面へむかいます。
変化のない道から曲がるときってわくわくします。
まっすぐ行くのとは違う風景が広がる期待。

 

県道30号という表示ですが果たしてこの道、
半鐘はあるし、由緒正しげなお寺や、古い民家が軒を連ねて
静かな山並みと車のなさ、忘却のかなたに思いをはせながら走りました。
気持ちいい。
この道、なにかちょっと畏怖ではなく畏敬するものがあり
すごいかもと思いながら走りました、具体的になにがというわけではなく
個人のとらえ方にしか過ぎないのですが。

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最上川のそば屋の下の船はなにをするのかな

やがて、あれこの道、知ってるぞというところを通り
大蔵から戸沢に入ります。戸沢は韓国お嫁さん対策でしょうか、
キムチ名産と書いてあったり
国保発祥の地と書いてあったり、なんだか村の村人を思う行政が
前面にでているのが特徴的。

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これは大蔵の最終エイド的な存在店

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ルートラボに、右を行けと言われた時の気持ちは

やがて通りたくない道の一つ、国道47号に出ました。

この、最上川沿いはもうここを通るしかないので
あきらめて、道中この時間唯一の食べ物屋さんである

米粉の滝ドライブインを目指します。

 

あら、でも、まだ10時半のレストラン開店まで一時間あり
しょうがなく立ち食いそば。開店時間リサーチしたはずなんだけどなあ…。
なんだかうどんみたいなそばだなあと思ったら
うどん注文してました、暑さでそろそろ疲れてきてる自分を自覚。

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交通量の多い道から離れてほっとしつつ、休めないサケの気持ち。



しばらくして左折、去年の秋200ブルべで走った道。
あのとき嫌だったなあ、ずっとまっすぐぬるい登りで飽きてしまう。
今日はさらに暑さもあり、ほんと憂鬱でした。

やっぱり途中で小さな違和感を感じては解消のため、止まるパターン。


「手向から月山二合目まで通行止め」の案内があり、
地名がわからず迷ったけれど明日のジロで庄内のコースで二合目まで行けば
まさか通行止めにはなっていないだろうと頭の中の記憶の地図を掘り起こし
羽黒山には上がらずジロで庄内コースを行きました。

途中ひとりとすれ違う、そのときだけ元気なふりして挨拶。
が、暑さと水のなさにダウン、日陰で横になりました。
動悸がね、暑いと止まらなくて、少し休んでもだめなので時間はある急ぐこともない
貯金もあったので、思い切って復活するまで寝ました。というか起き上がれなかった。
今の時期もう、あぶやぶよとかの虫がいないのでよかった。
30分ほどして起き上がりさあ行こう。

けれど日差しから逃げ場がなく暑いのは変わらないものの、命の水を発見。
途中、工事現場の自販機です。二本買いました
一本はすぐ飲んでしまった。

大きくUターンして二合目までの登りで
すでに汗だくだくのどろどろ、まるで溶けたアスファルトの気分。

さあいよいよ往復するだけの三合目に向かう途中、ゆっくり下ってくる自転車が。
あれ?いるんだ上る人、こんなとこを?
すれ違いさまについ見ると、さわやかな女性、こんにちは
さわやかにあいさつされ、こっちもできるだけさわやかに
言ったつもり、ごんにぢわあ。


もう早くも、終わった感のある自分に対し
ここをあんなに軽く下ってくるとはいったいどんなひとなんだ
と思いました、こんなとこ普通登らないだろ…。


そのあとの苦行については、もういつやめようかと
やめて引き返しても、ばちは当たるまいとただそれだけ。
二合目の看板から、三合目までが長くきつくて
ここは五合目じゃなくてたしか八合目までだったよなあ
と自分で自分に確認。(時折勘違いしていた)

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まだ…



と、登れどルートラボの目指す頂がはるか遠くを指していて
それが答え。
なんにしろ暑い、それと、ギアが足りない
足をいま痛めたくないという思い。
できるだけゆっくりふくらはぎに負荷かけないよう登ります
時速8キロだろうが気にしない、どんどん落ちる平均時速
それがなんだ、無事生還が第一。

(泉ヶ岳で練習している人にはなんていうことない坂だと思う)


以前車で登山に来たときは、早朝だったせいかバスで大渋滞だったけど
今日はもう昼近く、さすがに車もすくないのが助かります。

カーブでインを走らず大回りでゆらゆら走れるので。

時折現れる急な坂にだんだんなんにも感じなくなってきました。
よれよれでとにかく登りつつも、どこでやめようかと、そればかり。
あそこのカーブを曲がったら日陰があるかな そしたら休もう、

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あと半分、希望と嫌気がまじりあう

四合目、あと半分か…
バス停が合目ごとにていねいにあるのだけれど
時刻表が書いていない。
バス待ってたら来るのかな、来たら載せてくれるかな
いや自分だけ上に行ってもしょうがない、自転車と一緒でないと
自転車も載せてくれるかな、いや違う、それでも意味がない…
と葛藤、支離滅裂。


まだまだ五合目
そろそろ森林の植生がかわり 低くなってきて
景色が開けてきました
日差しも強いのですが、その代わり空気がひんやりしてきました

六合目、あと二つ

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ここで、上り続ける決意しました。

いけるかも、とここで腹をくくりました
よし行こう、もうたぶんここは二度ときたくない、
それなら悔いを残さずここまで来たのだから、このまま行こう。
観光バスが
見上げる、うえのほうから降りてきてしばらくしてからすれ違う見通しのよさ。

ちょっとめげそうになりつつも、あそこまで行くんだという具体的目標が

気持を湧きたたせます。

しかし、ああもうだめと、暑さで再び休憩。
水が心もとなく、ただ休むだけ。ここでは横になれないのでただ座っていました。
(行き倒れに思われる)うしろからきたバスを見ると、路線バスで
涼しげに乗っているのをただ見送りました。

ぼくはただ動悸が収まるのを待ちます。

七合目

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登ってくるバス 登ってきた道。

もう少し、もう少し、この坂を越えたらか、次のカーブか

たしかいきなりひょこっと広くなったような記憶が。
けれど騙されない、騙されない
すこしずつ傾斜が緩やかになっていく、ほっとしていいのか?
やがて車がたくさん道路に駐車しはじめ、
もうここでいいのねという祝福に包まれる思いで大駐車場に滑り込みました。

月山八合目、自分にとっての山頂は今日のこの八合目でした。
でもここから、登っていくひとたち、
白い修験者着物の人たちもいて、特別な場所なんだなと思う。

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バスを降りて続々と列をなして登っていきます。

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かなり迷ったメニュー。

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思ってたのとちょっと違ったけど塩分と水分補給、しみました。

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レストハウスから駐車場


ここでのご褒美はなめこ汁にしました
ずいぶん考えたのですが、食欲があまりなく、
もつ煮とかカレーとか
頼んでも食べられるかどうかわからなかったのです。

というか食べたいより食べられるかどうか。

熱くて濃い味が染みました。
自転車に戻り八合目の写真をもうこれがなくてはと、珍しく記念写真を

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がんばったよ、ここまで来たよ。

涙出る思いで撮っていたら
カメラをいくつも提げた年配の男性が近づいてきて、自転車と一緒に
撮ってあげるよ、いうのでカメラを預けパチリとしてもらいました。
初めてかも、自分と自転車の記念写真。
ここでの写真はどうしても取っておきたかった
こんなに登ってうれしかったのは初めてでした。

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写真、ほんとうれしかった、お声掛けいただき感謝。

どこからきたのかと聞かれ、仙台からと答えるとき
我ながら答えがすっきりしていていいなあ、と思ったのでした。
途中まで車?と聞かれたので、いや仙台から自転車でずっと
と答えるとすごいねえ、ここもよく登ってきたねえ
と褒められたことが、ものすごく、頑張りをほめたたえられたようで
その一言がほんとにうれしかった、
だってきつかったんですよ、頑張ったんです。

やがておばちゃまたちが自転車をみつけて寄ってきました。
下から?
好奇心まるだしのおばさんたちの相手をするのはめんどくさいので
取り囲まれる前に脱出。おじさんが仙台からだってというのを後ろで聞きながら
走り出しました。

なんかすごい注目された、この浮いてる感伝わるといいのだけれど。

勢いつけて下る途中、

ああここで休んだっけ
ここのカーブはきつかったな、そうそうこの道路のへこみのココのカーブ

ここの長い直線は、見てすぐ見なかったことにしたっけ
あとどのくらいかここのあたりで何度も先を見上げたっけ
日陰のここ、ここで休んだっけ

あのときの自分に教えてあげたい、大丈夫できるよ
もう少し、だよって。
がんばれって、苦しみながら登る過去の自分に言いながら
涙出そうだった。

下りはいっきに町までそのまま。
明日走るジロで庄内のコースを逆にたどり、ああ
あしたこのまっすぐをずっと登るのか暑くないうちだといいなあ、がんばれ
と、今度はあしたの自分にエール。

www.google.com

で、検索すると、笑うなあ、よくわかる。バスに乗っけてあげるといわれたとか

受けた。

 

 

降りてきて信号で脚を止めたら、異様に暑い
信号で止まりたくないが止まる
これもまたきついと思いながらアベレージを落とさない速度で巡行し
やっとのことで第一ホテルの受付に。

ここで自分の自転車ミューラーの試乗会をやっているということだったので
兄弟にあわせに行ってきました。
いままで一度も同じメーカーの自転車に乗っているひとと会ったことがない
ついでに生みの親にも。

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スタッフは外人さん、奥がぼくのMSP 、バイクラックのは試乗車。

チタンバイク薦められて乗っている間
ぼくぼろぼろだよ
と生みの親にじっくり見られてて、なんか恥ずかしかった。
もうちょっと磨けばよかった。
社長さんとフレーム再塗装のことで少し話したけれど、

丁寧な人で話していて安心感があります。

好きな色に塗装できるというのでシーズンオフにお願いするかも。
何色にしようかな、やっぱりボルドーがいいな。
社長さんと自転車のツーショットお願いしたかったけれど
まだ若い女性だけに言いづらかった。残念。
おすすめのチタンより、自分のほうが乗りやすかったな、

当たり前か、というか疲れててよくわからなかった。
クロモリが好きで乗っているのでチタンへの食指はさほど…。
自転車メーカーって売り続けなくてはならない商売だからそれも大変。

 

ようやく本日の宿に。夢にまで見たエアコンと風呂、それと家庭的な食事

普通の家庭でご飯を食べるためのおかずというのがいいんです。
おから、めかぶとかカレイとかいいな。刺身も、つけものも。
あとなぜか山形の内陸風の芋煮。
変わりご飯(炊き込みご飯)お替り自由とかうれしい。
たぶん現場の人が平日は泊まっていて土日は自分の家に帰るんだろうな
ここもぼくひとりでした。
夕食付朝食なしで5900円税込

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なぜかこういうものはお腹いっぱい食べられる。


さて明日まで疲れが取れるでしょうか。
あしたはもう今日以上に暑い様子。

受付したから、あした200kは6時スタートだから5時起きでいいな。

ではおやすみなさい。

 

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いいコースでした、また走りたい。月山除く。