仕事で登米にでかける途中、
三陸道でいくと食べる店がほとんどないことに気が付き、
ふと思い出した店でカレーを食べることにしました。
以前、同じように仕事で通りかかるときに寄っていたので
よくわかっているはずでした。
でも、いろいろ忘れていました。
個性的な店です。
極めて個性的です。
店に入りました。
薪ストーブを囲むようにカウンターの席に先客のおじさんたちが
2.3人座っています。
ハナシながらも、まずはじろりと視線を感じます。
こちとら新人なもんですみません、よろしくお願いします。
カレーをオーダー。
お茶は自分でね、カウボーイハットのおばちゃんが
指を指す、あ、はい。
湯呑を探していたら、食器棚からとってね。
離れたところの棚を指します。
あ、はい。
すでにここで、ちょっとめげたけれど負けるもんか、
そういえば惣菜は自分で好きなだけとるんだっけな
離れたとこにある重なった皿を探し出して、
あちこちに散らばった、食器やタッパーや瓶から
割りばしを、逆さにして取り出します。
(取り箸がなかった)
栗かと思ったらジャガイモ。
ラッキョウかと思ったらミョウガ。(秋しか丸ごとつけられないとか)
キノコ?かと思ったらナスを天日干しして炒めたもの。
これらを一皿に盛り、あとあさりの佃煮もあった。
キノコ汁200円と書いてあったので追加で頼むと
カレーにつくから頼むことないとのこと。
さてと、でてきたカレーに加え
更に惣菜として新潟の車麩の煮物
(ご主人が新潟出身なのでもちもちした食感の麩がいいとか)
と、ぶりのあらの煮物も。
ううむ。
それについてきたキノコ汁は具沢山で大根やゴボウやミョウガ、ネギ
黒いエノキとかよくわからないキノコが入っていました。
ただ、塩とか醤油とか入れ忘れたんじゃないかなという疑念がちらり。
ハエがずいぶん飛んでるなあ、
店で販売しているキノコの横には猫のエサと水飲みだし。
カレーは手作りっぽくておいしい。けど他は
ちょっと…思いながら食べていると
入れ替わりだれかが来るそのすき間、ご主人がぼくに話しかけてきました。
蜂、そろそろ分蜂なのかもしれないなあ、ずいぶん飛んでる。
え?蜂?ハエではなかったのか…。
あそこに飼っているんだ、蜜蜂。
と指さすそこは室内のただ上のほう…
いきなり分蜂と言っても普通のひとは知らないんじゃないかな。
毎年二回春と秋に必ず近くの杉の木のところに集まり分蜂するのだとか。
(分蜂→ミツバチが本家から分家するときにどこに行こうか女王バチが迷っている時ほかの蜂が女王バチを守って集まる)
これ知ってる?
店内のオブジェかと思った木の枝から実をむしり
ぼくにくれます、ひとつは、サルナシ。
(キウイみたいな味でした)
サルとにらみ合いながらとってきたとか。
それとあけび食べる?というので、
ああ、これは、中身じゃなく皮の話だなと
思ったので、ええ、苦くて炒めるとゴーヤみたいでおいしいですよね。
とお返事。
一個頂きました、栽培より苦みが強くておいしいとか。
ちなみに東京にいたときは実のぐすぐすしたとこを食べてました。
東北では捨てていた皮のほうを食べるなんて思いもしなかった。
いろいろ、すごくてぼくの今まで行ったことある店の中でも
3本の指に入る店。
価値観が世間とはずれていて我が道を行く店。
なによりきついのはおじさんの部室と化していて
ときどき話しかけられること。
今日は、安全ベストの話をしていました
シルバーがいいか黄色がいいか。
思わず会話にはいりそうになった、危なかった。
絶対知りあいには言えない店です、行きたい方は自己責任で。
「御はっと家」近くのセブンイレブンの向かいです。
知らない世界が垣間見れるでしょう。