6時、アラームで目が覚めました。強かった雨の音が消えていました。
まだ外が暗く手元が見えません。
スマホのライトにレジ袋を載せ明るく照らして
今できることから始めました。
シュラフを広げ少しでも乾燥させて、食べものを口にしつつ
輪行袋と一緒に送っておいた「とっておきの服」を取り出し
着っぱなしだったジャージから上下着替えて、普通の人に変身。
これでもう、炊き立てごはんとは言わせない。
予定通りの時間に空港に向けスタート。雨が幸い上がっていました。
なんて運がいいんだ。名残惜しむように考え事しながら、
生暖かい空気を感じつつ空港までただまっすぐ進みます。
八丈島では別に観光するほどでもないという自分がいました
同時に二度とここへはこないであろう、という感傷もありました。
どうしてそう感じるのかはわかりません、
島から出た親の思いの波動かもしれないですが
そうでもないのかもしれません。
ここで生きていけるかと考えもしました、
でもやはりここでは無理な気がしました。
島では、ひとを頼りにしないと生きていけない部分がどうしてもあり
生産販売はもちろん、船だったり天候だったりも含め、そういったいろいろが
この島を覆っているすべてのような気がして。
まだいろいろすべてをあきらめて生きていけるほどになっていないので
無理だなあと。
空港まで自転車で10分ほど。背負った輪行袋をおろしさてと。
あとどうしたらいいかな、とりあえずペダル外して
ディレイラーへとサドルは下だ、普通の輪行といっしょだな。
ギアをフロントは外、リアディレイラーは内側に移動させてと。
ディレイラーハンガーに足もつけて(なんというのか忘れた)。
ハンドルは横にまげて、チェーンテンションかけてフックでちゃんとね
ホイール外してカバーかけて、もちろんスプロケにオムツも。
どうせだからチェーンにカバーもつけちゃお。
ツールボックス、面倒だからそのまま、サイコンは電源切って、ライトもそのまま。
ヘルメットは隙間に入れとこ。あら簡単にできちゃった、これでいいのかな。
持ってみると ふかふかで、これぜんぜんオッケー、投げてもいいよ。
次にどうするんだっけ。
「預け荷物」と「持ち込み手荷物」だったな。
荷物受付というところに行きます。先にサーフィンボード持って行った人がいたので
すぐわかりました。二次元バーコードは?と言われ何のことかわからず、
スマホを見せたら、二次元バーコード出してというのですが、スマホで入れると思ったのですが
というと、なんとかサービスですね、ではここに乗せてというのでスマホを乗せて
はい、○○さまですね、ではお荷物をここに乗せてください。
中身は自転車ですね、モバイルバッテリーはありませんか。
はい、ないです。あ、ライトに電池使ってますけど?
内蔵ならば問題ありません。お荷物立てる場合はどちらが上になりますか?
えっと、悩んだけどハンドルを上にしてもらいました。
ではお荷物をこの台に乗せて壁に寄りかからせてくださいというのでその通りに。
12キロ。重たい。工具とか外して少しでも軽くしたほうが良かったかな、でも
20キロまでは問題ないみたい。
おおきさは260センチだったので、規定よりオーバーしてましたが、事前連絡していることは念のために伝えたせいか、無料でした。
エックス線を通して問題なし、、なにを見て問題ないと判断してるのだろう。
次はぼく自身の検査で保安検査場に。
サドルバッグとリュックサックふたつ。袋ごとでいいのかな、そのまま渡すと、
モバイルバッテリーや、水筒ペットボトル入ってませんか?
ありません。と答えながら、エックス線通りかけて途中ではっと気が付き
バックポケットの財布忘れてたから前のおじさんに出したら、ピーとなったので、
かごに入れてもう一度、今度はオッケーでした。
でも、いままで国内線、飛行機何度か乗ったけど、こういう検査初めてなんですが
ここ何年かで、厳しくなったのかな。予め調べて知っておかないと戸惑いますよね。
モバイルは預けはダメ、でも内蔵はOKとか。水筒ペットボトルはなんで聞かれるんだろう。
外に出しておけばいいのなら、袋に入れておいてもいいんじゃ?
ああ、気圧変化の爆発でなく中身の問題かな?
手持ち?預け荷物?海外旅行の持ち物にミネラルウオーターを入れる時のポイントとは | エアトリ
あと気になった、タイヤの空気圧とCO2ボンベ、関西空港では必ず抜くよう指導されるとのことで、いちおう、1プシュだけ抜いておいたのですが、なんにも言われませんでした。(行きに7気圧入れて、帰宅後計ったら5.2気圧になってた、走行ぎりぎり。)
ボンベも自転車と一緒に5本入れておいたのですがレントゲンでもなんにも言われませんでした。
預け入れ荷物の制限をチェック | 絵でわか〜る。はじめての海外旅行
飛行機の到着が遅れ、定刻より20分遅れて出発。
青ヶ島行きと思われるヘリコに乗り込むひとたちが保安検査をうけて
乗り込み始めました。
船の定期便は次回は1/4とのことだったのでそのせいでしょうね。
観光というより山籠もりするような格好の人たちでした。
北方領土、小笠原と並んで日本の秘境のうちのひとつかもしれない、
すぐ近くに見えるのに。
飛行機はどういうことかわからないのですが1か月以上前の予約の段階で1/3は埋まっていたのに実際乗ってみたら、1/10ほどの人数。
よこの列誰もいず、前の列も誰もいない。
うしろの列は二人だけという状態でつまり、がらがら。
なんでだろう、あの席の予約状況はなんだったのだろう
ターンテーブルというか回転すし状態の荷物を待っていたら
うしろから八丈島から自転車をお預けのお客様と声がかかりましたので
振り向いたら、軽々とぼくの重い自転車バッグを持ったANA制服の女性。
驚いてすぐ受け取りました。
細い体なのに、なにその軽々さ。実はジムとかで鍛えて筋肉粒々?
ぼくなど、地面にひきずりたい欲求に耐えつつなのに。
コンプレックスを抱えつつすぐ目の前のバス停へ向かいました。
それでも船よりかはましだなあと思いつつ。
行き先はあらかじめ調べておいた、横浜の山下公園か人形の家のはずでした。
そこの近くの宅急便で輪行袋を自宅に送ってあとは自走…のはずが
バスの時刻表にその路線が見つからない、かろうじて見つかったのは
横浜駅直行バスだけ。
まあいいか、空港バスだと、荷物が大きいからと断られるリスクもないだろうと
12番のバス停まで30秒くらい歩きました。
バスがいて、その前に係員さんがいたので、これ載せられますかと聞くと
大丈夫です、どうぞ、ただご自分でやっていただくことになっていますと
下の荷物室のふたをがばっと開けてくださいました。
すみません、切符買わないといけないですよね、どこで買うんですかと聞くと
先に立って案内しかけて時計を見て、
交通けいのICカードあればお使いになれます、ばすもとか
いや、ないです。というとちょっと待ってください、
とドライバーさんになにか聞いています、
そして今回だけ現金でいいとのことです、どうぞもう出発します
ということで乗り込んで、前払いとかで590円、払って、
よいしょっと。窓の外を見学。自転車で通れない大黒ふ頭とか
高速通るみたい、意外に早く横浜付きそう。
ところでバスモってなんだ?
あ、富士山だ。とか思っているうちに横浜到着。
駅かと思ったら、少し離れたバスターミナルというとこにつきました。
さて、組み立て…いやスタバがある。
コーヒーをまず、ついでに少しお腹減ったから、シナモンロール。
おいしかったな、自転車組み立てながら、路傍で食べるコーヒーとシナモンロール。
ここで自転車服にまた着替え。
11時30分くらいでした。
さあ、準備できた、ヤマト出さなくては、と
グーグルで検索すぐ近くにあるみたい、
ところが、バスターミナルって、バス以外入っちゃいけないので
自転車中で組み立てると、出るの大変なのね…白い目。
歩道経由で行こうとしたら、行き止まりで反対渡れない。
この旅でいちばん苦労したかも。
ともあれ一旦任務を終えて、いざ久里浜に向け三浦半島GO
と道が不案内で、ときどきヤフーナビ(グーグルにはひどい目にあわされたので)
と、道路の案内が違うときがあり、迷いながら進みます。
止まって地図を見ていたら、後ろから来たロードの人が信号で止まりました。
山下公園への行きかたを尋ねました。
まっすぐ行って、うーん、と言い淀み、わたし先に行きますからついてきて下さい
との言葉をもらったので、おお、お助けありがとうございます。とついていきます。
信号で止まる回数が多くてあまり進みません、でも加速がすごくてこのひといったい
後ろも見ず普通にこの速度でついてこれると思っているんだろうか、と思いつつも
悔しいからなんとかついていきます、35キロまでの加速がすごくて。
ディープカーボンみたいでした。都会はstop&goが多いから、
それでないときついんだろうな。
10分ほど付かせてもらって、山下公園到着、ここがレンガ倉庫。
ここからはルートラボに入れてあるからわかります、ありがとうございます。
あとどこから?と聞かれ、仙台からと答えましたが
よく考えたら、一時期本籍、横浜市だったんでした。まあいいか。
しばらく行くと、八景島あたりを過ぎ、舟の文字、川魚とか、ずいぶん下町情緒あふれる街に出ました。
金沢八景。
逗子に入るとまた風景一変。おしゃれな雰囲気の店があります。
海が近い葉山あたりは、冬なのに海水浴っぽいかんじで歩く人たちが多い。
登って下ってを繰り返し、三浦半島突端寿司屋のメニューに、あじにぎり1400円とか
いわしにぎり1100円とか、書いてあり、いまだに食べなかったのが惜しまれますが
とにかく時間が圧していました、すわって食べ物という時間がとれません。
もっとも大晦日の昼過ぎに、寿司屋でその青魚の寿司があるとも思えなかったのですが。
日が下がってきました、急ぎます。道の反対側が海なので写真も撮らず。
やがて左折し三浦半島の東側に出ました、
こどものとき、三浦半島に海水浴に何度か来ました。
岩場があり波が荒いので、子供的には冒険テイストだったかな。
貝拾いや岩場遊びにはよかった。
ここまでずいぶん自転車とすれ違いました。
自転車とこれだけすれ違ったのは初めて。三浦半島ってメッカなのかな。
西側はあまり路肩狭く渋滞なので、走りよいとは思えなかったのだけれど。
とにかく先を急ぎます。
久里浜のフェリーの時間は調べていました
胸のメモに書いていますが、止まってみる時間を惜しみとりあえず行ってみて、
待つなら待つで、しかないように思いました。無理に急ぐこともできないので。
到着、最後の関門。クルマが順番待ちをしていたのでその横に置きました。
時間を見るとあと少しで乗船できるようでした。
グッドタイミング。16時20分発
船には自転車はそのまま載せられると下調べ済。
自転車料金にはおとなひとり分の運賃も含まれているとのこと、片道1400円
さらに係員によると、クルマより先に、乗船してください
乗っても押してもいいです、とのこと。珍しいな。
船はがらがら。ちょうど夕暮れに港が沈もうとしていました。
外葉からの横波を大きく受けながら東京湾を横断します。
たしか今朝、飛行機からこの船見えたっけ…。
へんなの…
ここまで暑いわりに水分をあまりとっていなかったせいか
考えてみたらここで四本ジュースやスープ買って飲んでました。
すこし身体をほぐしながら身体を休めます。
港に着いたら、ちようど富士山に夕日が沈むとこでした。
写真を適当にとった後はもうあとはなにも残す必要がないので
クルマまで一直線30キロちょっと。
サイコンは、ここからまた新しいデータとして電源入れたのだけれど、
一時停止だと切った場所から再開場所に線が飛ぶんですよ、
どっちがいいのかわからないけど。
少し、登り下りや信号峠で脚が疲労してきてたので、運転もあるしと
こないだ効きすぎて懲りた、ユンケルローヤル錠をここぞと投下。
あとおにぎりもひとつ。これであとがんばろう。
山の中を経由して暗い道をいそぎます。
そろそろ頭の中は、たまちゃんの顔。
大丈夫かな、急いで帰るからね。
去年走った海沿いの道、なんと去年より2分はやく走り抜けてた。
いそげーいそげー。
クルマに到着。あとは任せろ、そそくさとルート検索、もちろんヤフーナビ。
この際帰りは高速で贅沢します。9500円。
アクアラインも通るみたいですが、うん通ったことないし話のタネにはなるでしよう。
OKとにかく急ぐんだ。
高速は時速120以上で走るとみるみるガソリン減りますな。自宅まで500キロのところ
残り480キロ走行可能でしかなく足りなかったのでスタンドですぐいれて
残り600キロ走行可能まで復活させたのに、200キロ走ったとこで
あと200キロ走行可能しかなくなって、でもいやお金より
たまちゃん心配だ゜、いけいけgo。と二回目のスタンド
まったく止まらず帰りは、さっきのおにぎり一個で
自宅まで飛ばしました、おしいことに、自宅についたら0時3分でした。
4時間半。年明ける前に帰りたかったのに除夜の鐘が聞こえてたのが悔しかった。
たまちゃんですか?
元気に、なに?、だれ?という顔をしてました。
ごはんは残ってました、好きなのと好きじゃなくなったものと混ぜて入れていたら
好きじゃなくなったものは意地でも食べないそうです。
声をかけて外にだしたら、ぶるぶる震えてふたたびケージに走りこむ。
忘れたのかと思ってさびしくひとりお風呂に入って
あがって、たまちゃんを出したら、今度は匂いを嗅いでよし、おっけー
撫でてよし、とか、なにそれ。
あたしに汚い臭い手で触らないでよ、ちよっとやめてよ、
触るなら、お風呂入ってからにして、という感じ…だったみたい。
なんかなあ…
こっちがどれだけ、がんばって帰ってきたと思ってるんだろうなあ。
それはあんたの勝手でしょ、とか
さらに言われそうだから言わないけど。
さびしいのはこっちだ、
なにいっての、さびしいの我慢してたのこっちでしょ
なによ自分のことばっかり、さびしいって
…うさぎとけんかするのも変なのでこの旅はここで終了。
長いのに読んでいただいてありがとうございました。