ふっと、思い出した、
中学卒業してどのくらいたったころだったか、
そのあたりはよく覚えていないのだけれど
同級生だった?女子と会ったとき絵本をもらった。
どうして会ったかも覚えていないのだけれど
なぜかもらって。
本屋さんで買ってきたと言っていたことは覚えているのだけれど。
なんで絵本?
と、おとなになりかけだったぼくはそう思って
それを女子にもらったことで、それもいいのかなと
許容する自分がいて、
そのあと、大学のとき児童書専門店でバイトしたり
絵本を弱視児童のため拡大写本したり、
そこで知り合った人に紹介してもらって無農薬野菜の世界に
入り…、となると
もしあそこでそのひとに絵本をもらっていなければ
いまぼくはどこで、なにをしていたのだろうとも思うわけで…
縁もゆかりもない仙台になんでいるのかと
自分の居場所はここなのかとときどきふと我に返り思うことがある。
絵本をとくれたひとがどこでどうしているのか全く知らない
なにを書きたいかわからないまま、もらったことを思い出し
本棚を眺めながら、とりとめもなくつぶやく一人ごと。
たしか、そのあとお返しにと、ぼくはまたこれもなぜかアグネスチャンの
アルバム「元気ですか」をあげたっけ。
そのあと、とくになにもなく、当然ながら。
でもまあそんなとるに足らない、そんな一ページが
その後すごく大きいことになっていったみたいで。
振り返ると人生ってどうでもいいことばかりでできていて
でも手放せないどれもが大事なことばかり
こんなつまらない人生でも自分が大事に抱えなければ
誰も知らない、それこそクソみたいなものだから。
こうしてときどき。