うさぎとピクニック

うさぎと、自転車、田舎での日々

勝手なつぶやき

鮫川町まで 副題:不思議の国の白うさぎ

前日23時すぎに床に入り、3時半起床。

真っ暗な中、ん?まだ夜中ですよと反応の薄いたまちゃんを

外に出して少し遊び、一応満足させてからバタバタと支度して

4時50分出発。寒い、3度。

 

出発してすぐ冷え切り手がしびれ方が凝ってきたので、予定外のコンビニピットイン。

非常用の服を2枚着こみ、グローブをテムレス(防寒用ではなく)に替えてリスタート。

ほっとして丸森を目指します。

しばらくは平地、なのになんだか30キロほどでもう疲労感があります。

ゆっくり回しているのに?。なんで…。

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霧の中の風景

寒さは日の出前の角田で2℃まで下がりました、危なく氷点下。

霧が深く川からは湯気が出ています。

やがてルート上に2つしかないコンビニうちの最初のひとつに到着、丸森

ホットミルクに砂糖入れてエネルギー補給。

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阿武隈川阿武隈山地のはじまり

ゆっくりを心がけながらいよいよ阿武隈山地のとっかかりに差し掛かります。

2年前通った道は復興工事多発地帯だったのでさすがに不安もあり、曲がったところで

火を囲み寄り合いをしていた男衆にこの先抜けられるか聞くと、

どこまで?と聞かれ、どこまでか地名を把握していないぼくは

福島にトンネルを越えてと、答えます、それでわかったようで

抜けられんよ、右の道さ行くと橋渡るから、そこでまた聞いたらよかんべと。

 

指示通り、右の道を行くことにして向かうと、坂がきついのなんの。

えー、いきなりこんなんですか、まだこの先長いんですけど、、とつぶやきながら

頑張らないと登れない斜度なので、それなりにパワー出して登ります。

ひーこら。知った道に出て、やっとトンネルについたころには、もうへろへろ。

50キロしか走っていないのに…。情けなくなりました。

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デカい、農耕車みたいだけど、なにする車だろう

それにしてもダンプが多い。文字通り後塵を浴びてきつい坂を上ります。

丸森っていい印象がないライドばかりだなあと思いながら走っていると

ますますそんな気になってきます。こんなに坂だっけ丸森って。

 

県境近くの集落ののんびりした空気を味わいながら、小さな橋で福島入りの後

素掘りのトンネルを越えて霊山。

すでに取り戻せない疲労がありましたがここからもさらに登る、

そして下る、そしてまた上る、の繰り返し、ひたすら繰り返し。

国道と以前走った道はできるだけ避けて知らない道を走ることにしていました。

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ランチできたらよかったのですが10時半ではまだ…

そうすると裏道なので山道たらけ。

もともとの目的は269キロ、獲得4000メーター程度の道を連続して走れるか?

ということの実験でもあったのですが、理想を改め現実に合わせて距離と獲得を

間引きし直したルートでした、それでもきついけどトレーニングのつもりで。

 

そうトレーニング、なぜか阿武隈山地きついけどインターバルになっているのか

疲労困憊で戻って、1週間後、もしくはしばらくは坂がきついともなんとも感じなくて

楽に登れるんです、山ごもりの修行と自分では位置付けています。

だからきつくても、前を見ず黙々とあきらめず、しょせん逃げ場ない。

目的地に時間どおりつけば、暑い温泉とおいしいご飯が待っている

ただそんなことだけを思い浮かべて。

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120K地点でラストコンビニ、いろいろ仕入れます。こういう時くらいしか食べないこれは生クリームが余分だと感じてしまった

あっ知ってるここ、以前通った。とかああここの交差点にこっち側から出るのかとか

新たなアハ体験もあって面白かったです。

なぜかよく通るのは歌舞伎小屋のところと母畑温泉のところ。

好きですね、これもなぜかわからないけど、だからそこを通るとほっとします。

ルート引いている時は気が付かないのですが。

 

いろんな状況に応じ適宜変更可能(獲得、気温や天気、通行止め、距離など)なように

ルートプランはそれぞれきついチャレンジルートのAから楽なCまでの

3つずつ作ってありました。行きは行ってみて冬季通行止めの可能性や足のなさから

ひたすらまっすぐ向かうプランCを走りながらチョイスしました。

だから楽なはずだったんですがね。

 

一番めげたのは、その歌舞伎小屋から母畑温泉までのまっすぐな登り。

去年通って、ここはもう嫌というところに同じようにルート引いてしまったんですね。

さらに去年と違い、荷物が多いこともあって(なんでだ)

重い分踏まないとならず足首がだんだん痛むようになってて膝もなんだか痛む。

裏道ばかり走ってきてて、斜度があるんですよね

去年どの道を走ったか忘れたんですが、国道だと確か6パーという縛りがあるので

そのくらいならなんということがないのですが、12バーの連続になると

なにが悪いのか、腫れて痛みが出てくるんです。

 

あー困ったなあと、なるべく痛まないようにしつつ

あとふたつ峠越えたら、があとひとつに変わり(ただし獲得400メーター)

もうあとそれだけだと走っていたらカーブでふいに見覚えのある自販機の

ところに出ました。

ああ、ここで去年甘い朝コーヒーかって飲んだっけ、と思いながら

水とやはりうまいコーヒー(頭がぼうっとしてきていたので)をふらふらしながら

買っていたら、ふらっと歩いてきたおじさんが、どうも~すみませんね~

ご苦労さんですね~と話しかけてきつつ

?と返答に困っていたら自販機で3つほど何かを買って

さらに話しかけてきます、どこまで?平田?

いえ鮫川です、鮫川町。鮫川?こっちの道行くの?と広いほうを指さします。

ぼくはルート図を見ていえこっちをと狭い坂のほうを指さします。

こっちのほうがちかかんべ、とおじさん。んー、でも道がわからないから…

と、ルート図を縮小表示して全体をみると確かに、すこし近いようでした。

いつもなら、坂の獲得とか景色とか走りたい道とかいろいろあって引いた道なので

そこを反故にして安易に人の意見で変えるということはないのです、だいたい

ほんとに近いかわからないしそのかわり恐ろしい坂かも知れないしと。

そしてそのまままたふらふらっと去っていきました、去年もここで

話しかけてきた人のような…。

 

ただ時計を見ると16時半で、あと予定では30キロありました。

もう暗くなってきているし、夕ご飯時間のこともありここはちょっと賭けて

おじさんに乗ってみることにしました。

そして広い道へ。すこし登っただけでなんとあとずっと下り、こんなに下っていいのか

下りの浪費ではないのか、まだ登り返すんじゃないのかと思いながら

一気に300メーターほど下って、国道へ。

やはり国道は急ぐ車が多く、路肩がそんなに広くはないので神経使います。

 

ただリアレーダーのディライトフラッシュと反射材のおかげか、大きく避けて

くれるので助かります。

さらに-1程度の下りがずっと続き、そのあと少し上ったもののあっという間に

20キロはしり宿に到着。

10K短縮のさらに坂がなかったから、1時間くらい早く着けたかも。

あのふらっと来たおじさんゲームの中のお助けキャラみたい。

それとも不思議の国のアリスのうさぎか。

つるや旅館の新たなオーナーとなったご主人が出てきてくれて、今日の修行の旅は終了しました。

30分遅れましたね、と言われたのはきつかった

220k山の中走っての30分遅れくらいは勘弁してよー、まるで厳しいコーチみたい。

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古殿出身、オリンピアンの窪木氏がよく泊りに来るとか

宿泊はぼく1人だけで、なんか申し訳なかった。

温泉はやはり暑いのに限りますなあと、思いながら入ったお風呂。

貯めた温泉で熱いのが出てこず、適温すぎて物足りなかった…。

すこし熱いくらいがいい年齢になってきたみたい。

筋肉疲労で熱い温泉独り占めで、あ゛ーって言いたいの。

 

念願のテレビ見ながら熱いお湯をごびごび飲んで、22時に就寝。

翌日はさらに波乱万丈でした。