ただそこに幼い、行き先をしらないすずめのひなが親と一緒に、やってきます。
みんなが飛び立ち、けれどなにかひとりであわてたのか
逃げる方向を間違えて、自分から
ドアに向かってとぴたってしまったのです。
それは、ドアにぶつかるような
どおんとした響きですずめが気がつくのではなくはなく、
開いていたドアから、ただ静かになんの迷いもなく入ってきてしまったので
ああ間違ったとそれはもうすずめも気がつくのですが
逃げ道が元きたところとは、それはもうすっかり
わからなくなっていて
ただひたすらに逃げまどうばかりなのでした。
自分から一瞬までは、幸せなとびたち。
ただ、向きだけが違ったのです。
あしたの朝には、ひかりが導くでしょうか。
ひかりに、ひとり飛び立つ勇気があるでしょうか。