うさぎとピクニック

うさぎと、自転車、田舎での日々

勝手なつぶやき

おでんやさん

このごろ。
ふとした瞬間に
「おでんやさん」のことを思い出す。
小さなとき、駅からの帰り道にあったおでんやさん。

最初は屋台で、冬になると寒そうに。
そしていつしか同じ場所に店を構えた。
おでんやさん、頑張ったんだなあ
お店って、ずっとあるわけじゃくてこうやって
作る人がいるんだ、すごいな
子供心に思っていた。

冬、よく買に行かされた、おでん屋さん
でもいやではなかった。
親に、つゆ多めにっていうように言われて
何か大事なキーワードのような気がして
いつも忘れずちゃんと伝えた。
ときどき、そういわれても…
と、おでん屋さんのぼそり言う声は、大事な使命の前に
かすんで聞えない。
たいていはあいよっと答えてくれたおでんやさん。

あれとこれと、と伝える言葉が
楽しかった。たいていはメモだったけれど。

ビニール袋をぐるっと回して、ぴちぴちっと
輪ゴムを二重に。
袋も二重に、
もう、これで絶対大丈夫、そんな安心感をつたえてくれた
おでん屋さん。

いまころどうしているのかな。
こっちではちくわぶや、じゃがいもがなくてね、
いや、それよりもね、コンビニのおでんは、なんだかちょっと
違う気がするんだ。

 

 

おでんやさんには、だしができって、

びろーんとした、昆布があった。
けれど、まだ最後の役目を
果たしていないとでもいいたげで、

それがとても、愛おしく好きだった。