最初は一匹だけなんだか頓珍漢な金魚がいて、
ばかだなあと思っていました。
ぼくが指を入れると
ほかの金魚はそろって逃げても、一匹だけ
あれみんなどしたの?という顔をしてそのまま
逃げなかったり、
ほかの金魚がご飯をくれーと寄ってきても
一匹だけ、なにかの陰に隠れて
出てこなかったり、ほかの金魚が食べ終わったころ
あ-、なにしてるのぉと、つぶやきながらぽわーんと
浮かび上がってくる。その角度は斜め60度。
まるで協調行動ができない魚らしからぬ頓珍漢なやつ。
そのうちまあこんなヘンテコなのがいてもそれで
社会がいきのこったりするんだろうななどと思ったりしつつも
実際なんだかかわいくて
ことあるごとに、指をいれていました。
そのうちに、あまりにこのきんぎょがよってきたり
逃げなかったりするので、ほかの金魚も
あれ?という感じで逃げかけて立ち止まってふりむいたり
ンん?という感じで指に興味津々近寄ってきたり。
そのうちにみんなで集まるようになってきました。
これがとても不思議だなあと思うとこで最初は
一匹でも、だんだんみんなに派生していく気持ち。
怖がることになんの根拠があるのか
そんな感じでひらひら~と、寄ってくるおバカなきんぎょちゃんですが
和やかな、危害を加えないという信頼関係は
徐々に伝播していっているようです。
それにしてもだんだん大きくなってきて
いまてはなんだかからだが一番でかくなりました。
なぜかいつも一匹だけうんちぶら下げて、ぽよーんと泳いだり
やたらばたばた、95度くらいの角度で寄ってきたり、やぱりおばかっぽい
きんぎょちゃん。
さて、また頭をなでに行こうかな。