山の住宅街の裏。
迷い込んだところに、
みるからに高級っぽい、フランス料理店が
仙台の街を見下ろす高台の
住宅街の端の、それは仕立てのいい洋服みたいに
ここでなくてはという、さりげない誇りを持って、
そこに。
みつけたと思ったその三日後の先日
たまたま機会あって、入りました。
さすがにジャンパーを、ジャケットに着替えて、
髭をそって、髪に櫛をいれて。
出てきた料理は、どれもビターななかにも、それぞれの香りと
ひとつの凛とした佇まいがあり、おいしかったんです。
それはどれも大人の風味。
街の喧騒をはなれたところにあり、この店で
すべて満足を感じてほしいという、意思表示なのか
量が多く、感じるよりも値段が安い。
量もだけれど、質自体に満足感があるので、
なかなかいい店に出会えたという思いで帰宅してもなお、再び
喜びを咀嚼するのでした。