去年、震災後、実はいろんな再会があった。
どうしてぼくが仙台にいることを知ったのか
なんで検索しようと思ったのか、そんなことも含みつつ。
高校の先生からメールがきたのには
まったくもって驚いた。しかも、いま定年後タイで
親のいない子供たちの面倒を
みているという、なんとまあ。(その後タイで洪水が)
「ぼく」をよく知っている先生にフェイスブックに誘っていただき、
高校の山岳部の仲間とネット上で嬉しい再会もあった、
まああるいは、親の葬式で一方的な誤解にもとずき、なじられる再会もまた
あったりだけど、今日は実際に高校の後輩から
久しぶりに、自分が忘れている青い時代のことを
恥ずかしくも思い起こさせてくれる電話があって、
ケータイに、あまり男からかかってくることがないので
それにまずびっくりしたけれど、なんだか、ありがとう。と
思ったのでした。
神田のジャズ喫茶で偶然会ったり
夜の千代田線の列車の中で偶然会ったり
を繰り返し、やがて偶然もなくなって30年ぶりの会話。
ぼくが忘れていたぼくのことを覚えていてくれてありがとう。
いつか会いましょうって言われ
今後いつかなんて訪れるのかと、思いつつ。
またね、
ありがとうね、それだけで。
あのとき、行き損ねた槍の北尾根
のかわりに、どこかの散歩道でも
夢の中で。