うさぎとピクニック

うさぎと、自転車、田舎での日々

勝手なつぶやき

起・承・結の美

おととい花火のことで書いたら
意外に反応があったので、続編として書いてみます。

子供のころにやった線香花火。。

細くて小さい線香花火。まず,片手に持って火をつけます。

一番下の辺りに火がつくようちょっと緊張しながらじっと。

手が震え、まん中あたりについてしまうと,

火が上へ下へびっくり踊りながら右往左往します。

1pict5206再挑戦。

今度は,手も震えず風もなく,うまくつきました。

じゅわっと勢いよく上まで燃え広がりそしてじーっ・・・・

そのまま火の玉が熱くなるまで待ちます

やがて,ばちっ、

音とともにショーが始まります。

まずは一直線の「ぼたん」。5秒ほどでしょうか。

ぽつぽつとはじまりそして、はじけ始めます。

先がいくつもの花にはじけ,分岐を始めます。

1pict5207音も賑やかに。これが「松葉」です。

あまり大きく飛ばないほうがきれいです

線香花火がこの世の春を楽しんでいます。

じっと、じっと息を潜めて次を待ちます。

けれどそれも長くはなく、

やがて,「やなぎ」へと変化していきます。

疲れた人生の思い出を振り返るように緩やかにできるだけ

長い時間を過ごさせてあげたいもの。

1pict5209できるだけ光を引いて名残惜しげに

長く垂れ落ちる形がまたきれい。

そしてやがて、自分の重みに耐えかね、

下に落ちていきます,それは哀しい一瞬。ぼくの手の中で固く黒く,

燃え尽きて天寿を全うさせて上げられるとなにか幸せを感じます。

そしてまた命の誕生に立ち会うごとく,緊張しながら火をつけます。

うまく付きますように。一本一本がドラマ。

ただ、最近そういう線香花火がなくなりました。

市場を席巻する中国製には途中の過程がほとんどないのです。

国産の花火は手作りでノウハウも伝授されておらず

このままでは、なくなってしまうかもしれません。