うさぎとピクニック

うさぎと、自転車、田舎での日々

勝手なつぶやき

エルスール-南-

1sdim0935 この監督の作品はもう一度観たくても欲しくても、中古ですら、手に入らず
まさに幻になってました。。
今回、買い揃えようと、調べ気がつけば
ボックスという形で再販売してました☆
ほんとにようやく
手に入れることができました~。

このヴィクトルエリセ監督の日本発公開
ミツバチのささやき」を
観たのは、25年くらい前かな。
六本木のシネヴィヴアンで、でした。

なにがいいって、とてもきれいな、
透き通っている、こころの
純粋さと視点で、えがいているところ。

フランケンシュタインという
恐ろしく怖いものと現実が重なることや
大人への入り口の視点というのを
とても感じさせてくれた気がします。

音楽も耳に残って、3回くらい
観にいったかな。

スペインのこの監督は10年にひとつと、いうくらい
とても作品が少ないのでどれが好きとも言いにくいのですが
無理に言えば、欲しかった1枚としてチョイスしたのは
実は次ぎの作品の「エルスール~南」の方。

どうしてタイトルに南とつくのに
南が出てこないのかという理由は
監督いわく、つまり
半分の作品で不完全なんだと言います。
でも不完全だから主人公と同じように
南を夢見ていられる気がします。

娘と父、それぞれの悲しみ、孤独をえがいています。
一番忘れられないのは
主人公エストレリャがベッドの下で
こつんこつんと父のメッセージの杖の音を
聞き、メッセージに気づいて涙するシーン。
あれは。

これから20年ちょっとぶりに
もう一度観てみようと思います。

朝の静かな水面に羽毛が落ち、その波紋を感じるような
繊細な映画なので
いまの自分に受け止められるか
ちょっと不安になりつつ。
静かにしずかに。