これはまさに「自然とともに暮らす」
ひととの交流を描いた映画で、
タイトルはそのひとの名前です。
なんというか、自分の原体験みたいな、
心の宝箱にしまってあったような存在。
中学のとき、浅草の映画館に
授業のひとつとして連れて行かれました。
そのとき一度見て、それきりなのに
昨日のことのように内容を鮮明に覚えていて
深くこころに染み込んでいます。
(その後高校でぼくは山岳部に入り、月明かり登山や、
ひとり道なき道を鉈をもって歩くようなことや、岩登りや
厳しい登山を好んで、山をまだまだこんなもんじゃないと
歩き回っていたのもこの影響かも)
映画の最後はただ涙でした。
こうして自然への深い理解と
溶け込むよう寄り添い生きていくような
人たちはもういなくなりつつあるのでしょう、
ただ自然を管理または
破壊して、都合よく作りかえる世の中。
安易に「自然好き」とか言う人を見ると、耳をふさぎたくなるのは
自分のことのように恥ずかしいから。
監督は黒澤明ですがロシア映画。
ライナーを見ると撮影も遭難に近い用な
大変な苦労があったようです。
ほんとに強い思いで作られ、誠意と畏敬の思いがこもった映画です。
これから
何十年振りだろう、もうわかんないけとど、
観て見ます。こんな時間を飛び越えた体験は、
いまだからできる贅沢。
そしてデルスウザーラの悲しい心境が
少しわかるようになってきている年代です。