引っ越しの前日は、なぜかいつも
好きな何かを失う気がする。
土のなかの深い地面の黒い
井戸や岩から染み出した水の不安な
かおり。清冽に青空に飛び出し流れおち
澄む水は迷いつつも行く先の
夢のことを思う。
平和なのに眠れないぼくの夜
冷たい水はやがて温く
何かを諦めていくのでしょう。
あちこちぶつかり
痛む飛沫を自己にむかい涙しながらも
ただけして馴染み温くならずに
いつまでも 青く
香り澄んで強さに憧れる。
それはいつか諦めた夢そのもの。
夢は回り道していつかつながる休み明け
引っ越しはいつもなにかかなしさに満ち溢れる。