むかし、自然食品の扱い会社で商品企画をしていた時、
ふらっと営業に来た若い男の子。
しょうゆ扱ってほしいのですが。
広島の醤油屋さんが東京営業所を開設したので
あちこちまわっているのだそう。
こんな人知れずやっているとこまで
それはそれはよく来てくださいました。
いろいろ話して、たったひとつだけ引っかかったのが
砂糖をつかっていること。
指摘すると、「砂糖と言っても黒糖に近いいい砂糖なんです。
こちらのほうではみんな、砂糖をいれて作っているんです。」
と、すこし訛りのある言葉でしゃべります
砂糖ぬきで、作ってもらえますか?
時間もらって上の方とも相談したのですが
でもやはり使わないで作ったことがないので…。
こちらもちょっと砂糖がはいっていると、よくないという話で…。
数日後来てくれたときにそんなことで、取扱いはないまま終わって
そのあと少ししてぼくは退社をしたのですが、
自宅に彼から電話がかかかってきたのは驚きました。
辞めたことや自宅の電話は会社に聞きました。友達になってほしいのですが
あってもらえませんかと。
たぶん知らない東京であちこちけちょんけちょんに言われることも多くて苦労
したんでしょうか。
それはともかく
その後、この会社、ちょっとしたもので有名になりました。
砂糖がはいっているという東京でマイナスとして受け止められる部分が
逆にもっとプラスにする売り方をしたことで一転大ヒットに。
たまごかけご飯専用しょうゆを出した醤油やさんです。
企業のなんかインストラクターみたいなまとめになってしまいましたが
ふっと思い出したことでした。