うさぎとピクニック

うさぎと、自転車、田舎での日々

勝手なつぶやき

孤高のひめねずみ

ひめねずみというかわいらしい
ねずみがいます。

このねずみは日本固有種で
高地に住んでいます。

秋、たくさんの木の実を
穴を掘って貯蔵するのですが、
てあたり次第、掘りたいとこに
埋めるのです。

そのとき掘りたいとこに。

そして…埋めた場所を忘れてしまいます。

というか、埋めるのに忙しくて
埋めたとこを覚えようとしないんでしょう。
ひたすら、ただ埋める。

だって埋めたいんだもん。
(ひめねずみの声)

で、秋がすぎ、食料がなくなって掘り出すときも
手当たり次第なんです。
掘りたいとこを掘ります。掘りたいときに。 
だって掘りたいんだもん。
(ひめねずみの声)

昔から好きな、ねずみちゃんなんです。
都市でなく、山に生きる清らかなねずみ。

昔、冬、雪の深い南アルプスの山小屋で
数日間雪に閉じ込められ、食料もなくなって 
静寂と暗闇、究極の孤独感の中、ぼくの近くまできて
我関せずの行動をしていた、一匹のひめねずみを思いだします。

本文、もどって、蛇足ながら、
そうして埋めたうちのいくつか、は
必ず忘れたままで
掘りだされないので、
春になると、芽が出ます。つまり、彼が忘れることは
自然のサイクルとして、森が循環再生していく一端を
担っているのです。